大学のとき、数多く掛け持ちしていたサークルの1つ「SF研」の知人と3人で川崎の「成喜」という中華料理屋で飲んだ。先輩が長野から出張に出てきたのでそれを迎撃するため。お互い、第一声は「変わってないな〜」だった(沈)。喜んで良いのか?
 私は幹事役の友人が中華料理屋を飲みの場所に選んだことに驚いた。何故なら、我々には忘れることが出来ない、忘れるはずが無い「ココロの中華料理店」があるからだ。その店の名は「老広東料理店」。今は無い。我々の心の中にしか。語りたいことは山ほどあるが、今はその時ではない。只、「老の前に老はなく、老の後に老はない」、「東京には老広東がない」という言葉が元ネタと同じ重みで語られている事を記そう。
 ともかく、その様な大きなものを抱えている同志である彼が中華料理店を選ぶとは一体どんな思惑があるのかと首を捻りながら、彼の後をついて行った。シネチッタへ向かう道の脇道に入ると「成喜」という看板があった。この名前、彼のあだ名に呼応するものがある。もしや・・・ここが目的地であった。「こいつ・・・名前だけで選びやがったな?!」と問い詰めると「し、知らなかった〜」。本人も突っ込まれて初めて気が付いたらしい。
 店は10テーブルほどの広さ。我々はティンダロスの猟犬の如く角のテーブルに陣取った。まずはビール。いきなりピッチャーを頼むがそれも良かろう。餃子15個、盛り合わせ3品、カシューナッツの炒め物、豚の炒め物、ちんげん菜のクリーム煮、八宝菜おこげ、卵スープなどが我々の胃袋に適宜納められた。ここは昔、和食の店だったらしい、それが中華料理店に転向したのだという。話を聞いた時に、階段を降りてくる和服姿のおかみさん。清楚な小料理屋のおかみさんと感じだ。幹事は会社の上司らと来ることがあるらしい。上司らがおかみさんを気に入って・・・という話はまんざら嘘でもなさそうだ。
 それなりの料理の食べながら、話題は転々とする。一品物を作って納めなければならない悲哀。先輩のつての別荘の素晴らしさ(景色と雪深さ)。職場で宴会費などをどのように積み立てて、かつどの様に使っているのか、その違い。もちろん、ここに居ない他のメンバーについても触れた。彼はパチスロになっているらしい。そういえば彼も一時凝っていたようだ。北陸地方から東京支社に転勤することになる先輩の寮は茅ヶ崎にあるそうだ。通勤は一体・・・。彼は口調が変わって雰囲気が変わった・・などなど。
 住居の話になる。私は寮扱いで月6万強のアパート(1K)にそれなりの値段で住んでいる。幹事役の彼は同じ南武線沿いで月7万のアパート。補助が少ないので辛いそうだ。そしたら長野市に住んでいる先輩「2LDKで7万弱」。嘘でしょ?げ、そうなんだ〜。・・・ふう、この差は一体(涙)。
 いきなり幹事と二人でこっちだと車を持つのは大変だよな。という話になった。彼が昔住んでいた大森と蒲田の間の地で駐車場、月3万。私が昔住んでいた寮があった久が原。呑川沿いの低地ならともかく、丘の上の住宅地だったら安くても月3.7万は掛かるという。今も同じかわからないが・・・。ローン、税金、保険、ガス代・・・もろもろ考えれば、とても割が合わない。他の趣味に金を注ぐ我々ではなおさらだ。ぐふぅ。「ふっ、どうせ車なんて10年も乗らないっしょ。」という私のぶーたれに先輩は「うん?俺は今7年目だけど?」。そこで私は基準が大学があった場所であることに気がついた。
 我々の大学はそれはもう・・・海に近いキャンパスだった。もっとも近いところだったら、海岸から1Kmも離れていないのでは?海が近いと・・・そうです。潮風が吹き付けますね。塩が車体に付くとどうなるでしょう?・・・実際、かの地では錆びた軽トラを良く見かけた。学生アパートを探す時にそう古くないはずなのにドアや屋外付きの湯沸し機が錆びかけていることにショックを受けたものだ。偶然だが、3人とも海無し県出身。それぞれ県が違うというのはなんとも。
 そこから話は大学周辺の変わりようについてとなった。最近遊びに行った私が情報を披露すると、驚く二人。「げーっ、マジ?」 先輩はこのゴールデンウィークに確認しに行くつもりになった。驚きを堪能してほしい。確かに周辺は色々変わったのだ。
 「ラストオーダーで〜す」。そして気がつくと「すいません、もうお仕舞いなんですが・・・」。店員に急かされて、店を出る。そんなに呑んでいたのか・・・。時計を見る。9時半少し前。・・・場所柄を考えると妙に早く閉まっている気がするのだが・・・。
 ホテルに戻る先輩と別れ、先週の土曜日に同じサークルの別の先輩方に召喚されて夜の10時過ぎに歌舞伎町の居酒屋に向かったことを幹事の彼に話した。どうやら、少し前に彼と私が入れ替わった面子で飲む機会があったらしい。おかしい?そのうちの2人は遥か遠方に住んでいるはずなのだが・・・(謎)。
 思い出話を沢山しながら南武線。またそのうち飲むことを約束し、私は先に下りた。

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