深夜、JR川崎駅の近くのラーメン屋で深酒後のラーメンを啜りながら、新聞を読んだ。そこで4/6にDV防止法が成立したことを知った。

>DV防止法が成立、10月に施行
> 暴力を振るう配偶者から被害者を守るドメスティックバイオレン
>ス(DV)防止法が6日、衆院本会議で可決、成立した。今月2日
>の参院への法案提出から5日間でのスピード審議で、10月から施
>行の予定。(共同)

 DVという言葉の広まりを考えると、法案提出と成立のスピードに驚かされる。記事に寄れば、その中身は対症療法的なものだ。とはいえ、対症療法的で悪いと言うわけではない。出血している怪我人には、まず輸血と止血が必要だ。それと同じぐらいDVも切迫した問題だということだ。
 私の知人にはシェルターに逃げてきた人達を援助する側の人も、そして実際に逃げ込んだ人もいる。双方の話を聞いて、深刻な問題であることを知っている。
 DVに晒されている人は大概、絶望して、その暴力に甘んじている。もっと残酷な状況では暴力を愛情表現だと誤解、盲信している。彼女達はそれが己の運命だと思い込んでそこから動かない。脱出する力は巧妙に封印されている。
 援助する側の話によると、一時避難するけれど、また元の場所に戻ってしまう人が余りに多いという。戻る理由が悲しい。自分の為ではないのがほどんどだからだ。残してきた子供が不憫だ。この子にはやはり父親が必要だ。私がいないとあの人は・・・。問題の本質を解決する事無しに戻っても、事態は繰り返されるばかりだろうに。
 逃げた人の話から、如何に専業主婦が経済的に弱い立場にあるのかが分かる。妻が財布をぎっちり握っている家庭ならばともかく、夫や他者に金銭管理の主導権がある場合、妻の個人的に自由にできる金額は限界がある。更にパートなど外で働くことを禁じられ、現金収入を得る手段がない場合の専業主婦はいざ「酷い状況」から逃げ出して暮らして行こうと考えた時、経済的に非常に厳しい立場にいることに気付かされる。
 DV防止法は緊急避難の場所を提供してくれそうだ。今あるシェルターの供給量は余りに少ない。少ない上に公営のシェルターは域外の避難者を受け入れられなかったり、民間のシェルターは予約待ちが一杯で入れないという有様。これが解消されるだけでも、効果は大きい。
 シェルターで暴力の嵐から一時的に隔離され、肉体的精神的体力を回復させた後に経済的、精神的自立の道を探る。「独りで生きて行く力」を身につける。個々がそれを見につけたその先に真のパートナーシップがあるのではないだろうか?

 憎悪と悲嘆は因縁により「遺伝」する。現世代がそれらから逃げずに、真っ直ぐ見据えて「悪しき縁を断ち切る」ことが出来れば・・・現世代が救われるだけでなく、次世代の悲しみの総量も減るだろう。

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