いぬもあるけば・・・「悔し涙」
2001年5月10日ここ最近、人に対して怒ったことがない。最後に怒鳴ったのは何年前のことだろう。とはいえ、だからといって、今では怒りの感情を抱かなくなった・・・という訳ではない。怒りは地中のマグマのように、私の心の奥底で密かに渦巻いていた。
元ハンセン病患者の訴訟のニュース。彼らが受けた、余りに酷い扱いを知るに怒りで総毛立つ。当時、患者であることが知れたら、本人は隔離・強制収容され、家族は村八分同然の扱いを受けたという。病気自体は随分昔に特効薬が出来て完治できている。なのに、強制収容を許す法律が数年前まで存続・機能し続けていたという事実。収容された人達は家族に迷惑を掛けないようにと、本当の名前を捨て偽名を名乗ることを強要された。遺伝とは関係ないのに、断種・不妊治療を強制的に処理された。一度入れば生きてでることは叶わない。それどころか死んで骨になってもでることができない。誰も遺骨を引き取りたがらないのだ。
法律が廃止されても、強制収容された人たちの大部分に帰るところがない。それどころか、未だに本名を明かせない。「そんなことをしたら、家族に申し訳ない」と。自分を隔離した側の家族への義理立てのなんと哀しいこと。それを強いる人間の愚かさと弱さ。そして、こういう国に生まれ、何も知らずに生きてきた私のなんと・・・ くやしい。
『怒るべきときに怒らない人間は真のバカである 私は怒れる人間になりたい』
とは、誰の言葉だったろうか・・・
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