AERAを買った。シンガー・ソムリエール野田幹子さんが載っていると聞いたので。
野田さんが出ている記事はワインブームが去った後のワイン愛好者の現状報告といったところ。
 ブームは人々の関心を一気に集めるが、それが去った後の反動も大きい。それはその通りなのだが、今回はその反動を必要以上に大げさに取り上げている感じが鼻につく内容。さも、現在ワイン愛好家は不遇であるかのように。よくある構成だが、底が知れる。<他山の石
 野田さんの登場は嬉しいが、こんな風に取り上げる程のことなのか?ワイン愛好家が冷遇されているというのはピンと来ない。恐らく、ブームに対する関わり度が違うのだろう。ブーム時にマスコミが取り上げたような飲み方をしている人は私の周りにはほとんど居なかった。
 ブームの恩恵は大きい。ワインの価格帯が広がった。チリや東欧の安いワインが手軽に入手できるようになった。純米酒好きな私は安いカベルネ・ソーヴィニヨンを愛飲している。日本酒よりも翌日に残ることが少ないので、その辺も選択基準になっている。ブームだなんだということではなく、安くて旨いから飲むようになったのだ。今も飲んでいる私以外の消費者もそうなのではないだろうか?昔よりも気軽に自分の背丈に見合ったワインを愉しめるようになったということだろう。自らの価値観を基に、機能と価格を検討し、納得して購入・消費する。そんな消費生活が、「粋な消費生活」だと思うし、その様な消費者が成熟した消費者の姿だと思う。
 尤も、この記事はブームの終焉を取り上げるのが主の意図ではないのだろう。隠された意図は「個人的な趣向の選択に際し、周りの視線を気にしなければならない」日本人の姿を顕かにすることだろう。

 それにしても・・今の時代は「個性」が求められるという。しかし、その中に含まれる「オタク的なもの」は否定される。これはどういうことだろう。個性に良い悪いがあるのか?結局、市場価値のない個性は認められないということか?金にならない個性は個性ではないのか?ゆとり教育が目指す「個性」はどんな個性なのだろう。


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