いぬもあるけば・・・「根性焼き」
2001年6月11日 20時前、私は渋谷の街をいそいそを歩いていた。私が受け手でなく、発し手となろうとしたきっかけを与えてくれたユニット「TAMTAM」の久々のライブがあるからだ。『アフリカン・ダンス・パーティー/ハワレ』というイベント。TAMTAMとアッサン・ジャバイ&スーパーサンチビというユニット(?)によるイベント。目的地は渋谷駅と原宿駅の間にあるクロコダイル。
タワーレコード渋谷店を過ぎた辺りで男に手がぶつかった。「すいません」男の謝り声。
左手に何かくっついた感触。見てみると赤い光が。煙草の火種が私の左手の甲、親指の付け根で鎮座していた。赤い光をバチバチと右手で叩き落とす。
火種が完全に落ち、黒い灰に汚れた手を確認してから、男を見やった。
「大丈夫ですか?」 小柄な男が恐縮している。
「・・・気をつけてください」 相手の目をしっかり見ながら、押さえた声で私は言った。そして、すたすたとその場を離れた。
急ぎ足で会場に向かう。目印になるはずの銀行を探しながら。目の前に人の群。なにげに道脇に座っている人を見遣ると・・・「あれ?」 TAKAさんだった(汗)。勢い余って通り過ぎるところだった。30分押しているために休憩していたらしい。お陰で私は迷子になったり、聴きそびれたりしなくて済んだ。
地下に降りて会場に入る。見渡すと前のライブ後のファン交流会で知り合った人達を発見。空いている席に座らせて貰った。生ジョッキを頼み、飲みつつ・・・火傷した場所を冷やしていた。天井から吊されたモニターに移るアフリカンダンスの映像を見ながら。しばらくすると、煙草の火が載った部分の表皮がベロリと剥けた。リンパ液がジクジクしみ出してくる。冷やしているために痛みはほとんどないのが幸い。気にせずにライブを楽しむことができた。
20時半過ぎ、ライブ開演。セネガルから来たパーカッショニスト達がバックを務め、ドラムが鳴り響くアレンジの伴奏に合わせてMARIさんが歌った。前回、見に行ったヤマハ渋谷店のライブハウスのときのような派手さはないが、しなやかさを感じる。メイクの違いのせいだろうか?会場の広さの違いだろうか?印象が違っていた。
歌いながらパーカッションをこなすMARIさん。飄々とした風情でギターを鳴らすTAKAさん。サックスと大勢のドラムのバック・・・。感傷的な歌がそれだけでないものに変わる。
TAMTAMのライブを見に行くことで、段々パーカッションに対する感性が磨かれてきた気がする。音楽に乗ってつい指でリズムを取ってしまう癖はそれとリンクしている。そんな訓練(?)をしてきたお陰で、次のオールパーカッション、セネガルの音楽も楽しむことができた。
ドラムの音を聴きながら思う。ドラムを叩くということ。叩くことで生まれる音。音は波動。波紋が広がるイメージ。ぶつかり、反射し、散乱し、そして共鳴する。叩くという行為が生みだすもの。生みだす行為によって立ち現れる行為体。捉えることが出来ないものを生みだし続ける。では直接生みださない、生みだせない者は?心の固有振動数をもつ共鳴箱。弦だけの音では音楽と成り得ない。
外に出ると、路面が濡れていた。雨が降っていたようだ。
タワーレコード渋谷店を過ぎた辺りで男に手がぶつかった。「すいません」男の謝り声。
左手に何かくっついた感触。見てみると赤い光が。煙草の火種が私の左手の甲、親指の付け根で鎮座していた。赤い光をバチバチと右手で叩き落とす。
火種が完全に落ち、黒い灰に汚れた手を確認してから、男を見やった。
「大丈夫ですか?」 小柄な男が恐縮している。
「・・・気をつけてください」 相手の目をしっかり見ながら、押さえた声で私は言った。そして、すたすたとその場を離れた。
急ぎ足で会場に向かう。目印になるはずの銀行を探しながら。目の前に人の群。なにげに道脇に座っている人を見遣ると・・・「あれ?」 TAKAさんだった(汗)。勢い余って通り過ぎるところだった。30分押しているために休憩していたらしい。お陰で私は迷子になったり、聴きそびれたりしなくて済んだ。
地下に降りて会場に入る。見渡すと前のライブ後のファン交流会で知り合った人達を発見。空いている席に座らせて貰った。生ジョッキを頼み、飲みつつ・・・火傷した場所を冷やしていた。天井から吊されたモニターに移るアフリカンダンスの映像を見ながら。しばらくすると、煙草の火が載った部分の表皮がベロリと剥けた。リンパ液がジクジクしみ出してくる。冷やしているために痛みはほとんどないのが幸い。気にせずにライブを楽しむことができた。
20時半過ぎ、ライブ開演。セネガルから来たパーカッショニスト達がバックを務め、ドラムが鳴り響くアレンジの伴奏に合わせてMARIさんが歌った。前回、見に行ったヤマハ渋谷店のライブハウスのときのような派手さはないが、しなやかさを感じる。メイクの違いのせいだろうか?会場の広さの違いだろうか?印象が違っていた。
歌いながらパーカッションをこなすMARIさん。飄々とした風情でギターを鳴らすTAKAさん。サックスと大勢のドラムのバック・・・。感傷的な歌がそれだけでないものに変わる。
TAMTAMのライブを見に行くことで、段々パーカッションに対する感性が磨かれてきた気がする。音楽に乗ってつい指でリズムを取ってしまう癖はそれとリンクしている。そんな訓練(?)をしてきたお陰で、次のオールパーカッション、セネガルの音楽も楽しむことができた。
ドラムの音を聴きながら思う。ドラムを叩くということ。叩くことで生まれる音。音は波動。波紋が広がるイメージ。ぶつかり、反射し、散乱し、そして共鳴する。叩くという行為が生みだすもの。生みだす行為によって立ち現れる行為体。捉えることが出来ないものを生みだし続ける。では直接生みださない、生みだせない者は?心の固有振動数をもつ共鳴箱。弦だけの音では音楽と成り得ない。
外に出ると、路面が濡れていた。雨が降っていたようだ。
コメント