朝七時、朝食は海に面した広場が食堂となる。名物「ワッパ煮」がここで作られる。「ワッパ煮」とは木の曲げ物に魚と水と味噌、薬味にネギを入れて置いて、そこに熱せられた石を入れたもの。熱せられた石によってたちまちワッパの中の水が沸騰する。そういう荒々しい漁師の料理だ。魚はマダイにカワハギ。これ以外にお膳がつく。天草からの自家製ところてん(美味しかった)、つるむらさきのお浸し、ハム、生野菜、卵焼き、蛸刺し(歯ごたえ宜し)、焼きトビ(トビウオ)、あらめ(海草)、そして自家製メロン(あまり熟してはいなかった)。・・・朝からなんともボリュームのある食事。尤もこれから海水浴するには丁度いいだろう。
 民宿で先に水着に着替えてから、10時頃に宿の親父さんに内浦海水浴場まで送って貰った。黒、緑、赤、青の海水浴客、参上!こちらの海水浴場は砂浜なので普通のノリで愉しめる。釜谷の方は岩浜。一ヶ所で違う浜が愉しめることになる。
 泳ぎの得意なKさんは早速周囲を探索。まともな海水浴は久々な私は泳ぐというよりも浮き輪を使ってダラダラプカプカ浮いていた。海水は想像以上に綺麗で、海水浴場として設定している範囲でも透明度の高さから水中観察を楽しむ事が出来た。Oさんはかなりご機嫌だった。その辺りで魚を数種類観察できるのだから、別の岩場などではもの凄く綺麗なものや楽しいものが見られるだろう。Uさんは、日差しに負けたのか、気が付くと着替えていて、水着を干しながら浜辺で座していた。
 休憩時に持ってきたパーコレーター一式でコーヒーを沸かし、皆に振る舞った。わざわざ持ってきたのだ。嵩張るにも関わらず。その分の代償は大きかったけど。
 そんなこんなでお昼過ぎまで浜で遊んだ。気が付くと腕や肩が真っ赤。日焼け止めを借りたり、買ってきた日焼けローションをダバダバ付けていたので大丈夫だと思っていたのだが・・・。どうやら、夏の浜辺の日差しの強さをなめていたようだ。
 シャワーを浴びる代わりに、内浦港近くにある漁火温泉を訪れることにした。私が来たときには無かったと思う。水着にTシャツ姿で、トテトテ歩く。10分後の13時半に到着。集合時間を14時にして解散。温泉の泉質を確認しないまま、湯船に浸かる。妙にヌルッとした感じ。弱アルカリ性高張性低温泉という文字を見ていたので、アルカリ性のものなのだろう。顔を洗った。しょっぱい!!というか、塩水よりも重い・・・そう海水のような・・・。温泉は限りなく海水と同じ成分「ナトリウム・カルシウム−塩化物温泉」だった。海水浴から上がって、また海水浴している〜♪暖まりますな〜。 ゆっくり浸かっていたら、集合時間を過ぎてしまった。休憩場で牛乳を腰に手を当てて呑む「湯上がりの儀式」を済ませた後、遅めの昼食をするために食堂を探しに出た。
 昨日から魚づくしで、ちょっと肉も食べたくなった私とUさんはチャーシューがあるという理由でラーメンを食した。そうそう、休日モードなのでビールも忘れずに。昼間っから飲むと休日であることを感じる。
 釜谷までの観光船で呑むために缶ビールを求める。観光船は観光というにはかなり烈しかった。岬ちかくになると結構揺れ、波しぶきが虹をつくる。1眼レフを片手にしていた私は、波しぶきがカメラに掛かるのを怖れて撮影を中止した。元々乗り物酔いしやすいKさんは酔いのためというより揺れそのものが苦手だったらしく、船の手すりをしっかり握って動けない状態。私は、短い距離だが電車通勤しているおかげで手すりに掴まらなくても体勢を維持できた。何かのアトラクションだと考えて揺れを楽しんでいた。釜谷港に着いた。Kさんはヘロヘロ。「明日、内浦には車で送ってもらいましょう。絶対に〜!」と。
 部屋に戻って、腰を下ろす。思った以上に日焼けが烈しいことが判った。腕や太股にクーリングスプレーの冷たい液を当てる度にピクッと身体を振るわす私。Oさんも焼きに来たとはいえ、考えていた以上に焼いてしまったらしい。あちらは肩中心。すでに焼いていて耐性が出来ているKさんと懸命にも早々に着替えたUさんはダメージがないようだ。以後、Oさんと2人で何かにつけ、「ヒーッ」と悲鳴を上げ続けることになる。
 隣の男性の団体客が五月蠅く、襖の隙間から入ってくる煙草の煙に全員負けたこともあって、夕食までの間、釜谷港周辺を散歩した。浜辺で1人遊んでいる少女に声を掛けてみたり、フナムシと鬼ごっこしてみたり。公園でブランコを発見して、それに乗って遊ぶOさんとUさん。「流石に昔みたいに飛べはしないなぁ〜」 日本海に沈む夕陽を見たかったが、宿の人に連絡していないので戻ることにした。夕食の時間が近づいていた。
 今日は混むので、最悪の場合、宿泊部屋で食事を取ることになると脅かされていた。が、昨日と同じ宴会場で取ることになった。そこでは隣部屋の団体さんが大盛り上がりしていた。体育会系のノリで簡単なゲームをして、呑ませあっていた。昨日、可能だった会話が彼らの騒ぎ声で聞き取れない。・・・黙々と食べる妙に静かな食事になってしまった。メニューは昨日の順番だと、上は焼きアジ、クマザサの子の梅酢漬け、ソイの煮付け、ムラサキガイ、グレープフルーツ。中はタイの刺身、?、山アスパラ、スイカ。手前はエゴ練り、漬け物、蛸の子の煮物。一団が去ってから、ようやくまともに会話をしたり、呑んだりがはじまった。昨日の辛口が合わなかったUさんのために宿で出される甘口をもう1本付けた。
 食事が終わる頃、先程のお隣さんたちが宴会場に荷物をもって移動してきた。どうやら部屋を交代したようだ。隣部屋に人はいるが、彼らほど騒がないしチェーンスモーカーでもないだろう。ほっとした。
 夕食後、持参した花火をするために港に出た。広場を離れ、人気のない通りでやることにした。買ってきたのは設置型と手持ち型。設置型を次々点火。一瞬辺りが照らされる。割と綺麗〜。火種のロウソクが尽きるまでに全ての手持ち型を終えようと焦って、火を点ける。ようやくメインイベントの線香花火を迎えたとき、ロウソクはもうわずかしかなかった。追い打ちを掛けるように強く吹きだす風。線香花火の玉が出来て火花が散り出すと、風に揺られて玉が落ちてしまう。場所を移動しても同じ。結局、まともに火花を楽しむことが出来なかった。ショボン・・・。
 寂しく部屋に戻った。内浦地区は通じるが、釜谷地区は携帯も圏外の場所であるため、ネットを繋ぐことも出来ない。ジンジンと火照る日焼け部分を冷やしながら、布団に寝転がりながら飲み会となる。昨日4合ぐらいやっつけたのであと6合ほど、腰を据えて呑めば呑みきる。よい酒なので翌朝残らないのは今朝に判っている。おしゃべりの種は尽きない。杯を重ねて2時間以上掛けて空瓶を作った。勝利であります! (問題は呑みすぎたこともあって、おしゃべりの内容を余り覚えていないこと。うーむ(汗)) 明日の計画も話し終わり、そのまま各人思い思いに夢の世界に旅立っていった。

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