日頃、立ち読みで済ませる週刊少年サンデーを購読してみる。主流週刊少年誌4誌のうち、購読してもいいなと思う筆頭はサンデーだろうか。熱い漫画、引き込ませる漫画の掲載数が多い。
 今週号は『からくりサーカス』(藤田和日郎)に魅せられた。話は現在ゾハナ病という病をまき散らす自動人形達とそれらを殲滅せんと戦い続ける者達の姿を追っている。
 その中で死せんとする登場人物が語る台詞の凄さ。現代日本に於いて漫画以外の媒体で個人がこれを語らしめ、対象に伝え得るものがあるだろうか?

 「人形は、変わらない…死にもしない…だが人間はちがう。」
 「ああ…何て愛しいのだろう、人間という生命は。」
 「いくら年を経ても、赤子のまま…はかなくたよりなくて…他人がいなければ生きてゆけないのだ。」
 「愛しく思うということは、その対象が何よりも美しく見えるということだ。」

 作者の思いの直球が胸に迫る。掲載紙が少年誌、建前小中学生を対象としていることを思い出せば彼が誰に何を語りたがっているかが見えてくる。ああ、そんな無粋な事を言うのは止めよう。今は少年のように、この漫画に出会えた幸運を喜び、続きをワクワクしながら待ち続けよう。待つことすら喜びであることを噛み締めながら。

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