花巻旅行を前に、まるで修学旅行の事前学習の様に書籍を購入した。

 FOR BEGINNERS 宮沢賢治 現代書館
 銀河鉄道の夜 宮沢賢治 宮沢賢治童話集3 講談社青い鳥文庫
 智恵子抄 高村光太郎 新潮文庫
 絵のない絵本 アンデルセン 新潮文庫

 恥ずかしい話だが、宮沢賢治にしても高村光太郎にしてもきちんと通して読んだことがない。子供心に宮沢賢治の作品はそれほど楽しくは無かった。小学2年生のころは怪奇物をよく読み、3,4年生の頃は井伏鱒二が訳したドリトル先生物や少年探偵ブラウン(だったかな?)などの児童小説をよく読んでいた。童話を意識して選択して読んだ記憶が余りない。あらすじは知っていたが、果たしてきちんと読んでいただろうか?
 智恵子抄にしても、全てを読んだことはなかった。一部引用されやすい有名な詩だけを知識として知っていたに過ぎない。アンデルセンの作品も同様。

 花巻を訪れてみようと思ったのは、『“人と思想シリーズ”「高村光太郎」(清水書院)』がきっかけだった。智恵子を失った後、戦時中に戦争賛美の詩を発表したことを戦後に非難された老人光太郎が自給自足で過ごし、失ったものを『受け取り直し』た小屋を訪れたくなった。(おそらく、そこは観光地として奉られているだろうが)
 『キルケゴールとアンデルセン』を読みながら、宮沢賢治に対しての関心も深まった。筆者は宮沢賢治の作品や書簡を灯火として、彼らをあぶり出している。「Ora Orade Shitori egumo」やアンデルセンの賢治によるドイツ語読みアンデルゼンなどを文字遊びすることで。OraからOratorio(礼拝堂)、オラトリオを連想してみたり、アンデルセン→アンデルゼン→「アンデルスザイン:異質の存在」と呼応一致させてみたり…。もちろん、祈りと童話の二つを体現している人物としての宮沢賢治像がそこにある。それが正しいかはともかく。

 そんな訳で出張先の書店で手に入る本を買った。夜、誰もいない部屋で独り、絵のない絵本の第一夜を朗読してみた。朗読など何年ぶりだろうか?間を取ったり、強弱を付けたりはそれなりに出来るが、思った以上に口が回らない。いやはや。リンクしているけろさんが以前、童話を読み聞かせる活動に参加していると日記に書かれていたが、難しいものだねぇ。下読みをきちんとしないとサラサラと聞かせる事はできなさそう。この本は全て朗読で読もうと思った。

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