・・・ガツン。 やられた。何故だろう。不思議だ。

 「旅をする木」という文庫本を読み終えた。
 星野道夫さんのエッセーに含まれる思想には通じるところがあり、読み進むに連れて親近感が沸いてきた。それはただの居酒屋のなじみ客同士だった者がカウンターで話をするに連れて親しくなっていくような。いつか会って話をしてみたいなと思わせる人柄がそこにあり、その書簡体の文章もあってかなり近しい人のように感じられた。

 ・・・だから、解説に衝撃を受けた。
「今年の夏が来ると、星野道夫が死んで三年の歳月が過ぎたことになる。」
 フラッシュバック。否認と動揺。だって、その前の文章の日付は1995年7月じゃないか。早すぎる。何故?
 解説者は私をリードした。親しい友人を亡くした体験をもつ先輩として。その文章は解説という範疇を越えていた。
「たとえば彼の人生が平均よりも短かったとしても、そんなことに何の意味があるだろう。大事なのは長く生きることではなく、よく生きることだ。」

 これでプレゼントされた本を2冊読み終えたことになる。
 『思いが残る』そして『旅をする木』になぞられるイメージ。
 本との出会いは縁だというが、不思議だ。プレゼントしてくれた人とはこのところ話をしたりする機会はなかった。忙しくてネットにアクセスしていないらしく、この日記サイトもチェックしていていない様子だ。だが、このタイミングはどうなのだろう。同封のメッセージカードから選書に対する深い意図は感じられない。

 まあいい。私は受け取った。このプレゼントを。それは私にとって十分に深い贈り物だった。そして、こういう贈り物を送られた私は幸福だ。・・・そういうことだ。

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