いぬもあるけば・・・「散策」
2002年3月16日 上野散策。特に目的があるでもない。なんとなく。桜はまだ咲いていない。咲く直前の蕾の色が好きな私にとって、却って魅力的とも言える。少し遠くから眺めると、樹全体がぼんやり赤く見える。近寄るとまさに開こうとする蕾は上気したように濃いピンク色に火照っている。花開いた後の大人びた薄桜色の花びらとはまた違う魅力。
アメ横に場所を移して、店をひやかして行く。アクセサリーショップで明日の為に、緑のバンダナを買った。
衣類や靴屋の隣に鮮魚店が並ぶ。香水の安売り店の隣が魚屋で、香水の香りを嗅いでいる隙を塗って魚の生臭い臭いが鼻に飛び込んでくるのに、雑然としたアジアらしさを感じた。
乾物屋の並びにコーヒー豆屋があった。キリマンジャロが500gで800円。安い。自家焙煎というところに不安があったが、好みの煎りでなくてもこの安さなら許せるな。会社で飲む分には十分。
昼食を食べていないので、周辺で面白そうな店を探す。高架下でカップ酒片手に焼き鳥を食べている人達の姿に惹かれたが、今後の予定を考えて断念。通り過ぎようとしたところ、気になる古びた看板。看板と同じく古びた定食屋だけど、どこか惹かれるものがあったので飛び込んでみた。馴染み客が食事をしている。思った以上にまともなものが出てきた。久々にポークソテーを食べてお腹を満たす。
再度、アメ横を散策した。物欲を押さえながら。ちょっといいなと思うものが沢山見つかる。通販のカタログを見ているのと同じようなものか。日頃、目にしない商品が飛び込んできて、物欲中枢が刺激されるのだろう。
駅に戻る道すがら、お土産に舟和の芋羊羹を購入。楽しかったです。是非、また。
東京駅で東海道本線に乗り換え、藤沢駅に。元研究室仲間と合流し、駅ビル内にある市民センターに。先生が所属している趣味の絵画グループの展示会。記帳していると、席を外していた先生がやってきた。本当に見に来るとは・・・と思われたのだろうか、ちょっと驚きの表情があった。とりあえず、先ほど買ったお菓子を皆さんとどうぞとお渡しした。それにしてもお変わりない。退官されて結構経っている。70を越えていらっしゃるはずだが、血色といい、眼の輝きといい変わっていない。それは今だ仕事を抱え、忙しい日々を送っていらっしゃるからだろう。
先生の所属している絵画グループは油彩のみのグループらしい。一水会に所属している画家を招いて指導を受けているとのこと。私の知らない先生の一面である作品を見ることができたのはよかった。静物画のタッチがよい感じ。
油彩、面白そうだ。色を置いて行くことで構成される絵画。水彩とは違う描き方が面白い。一緒にいたH君はパステルをやっているのだが、油彩に興味があるようだ。現実にはワンルームに住んでいるという制約上、自分の部屋で油彩をするのは厳しい。テレピン油の匂いとかもあるが、部屋の狭さがネックになっている。ある程度の大きさのキャンバスを相手にした場合、後ろに下がって構図などを確認する必要がある。彼が描いている用紙の限界はこれで規定されてしまうという。窓際に用紙を置いて、玄関まで下がって確認しているという。泣かせる住宅事情だ。そして、それは鑑賞者である私も同じ。
先生とお別れした後、軽く呑むことにした。2月頭にあった友人の結婚式の2次会の候補にあった店。入り口が判りづらいので止めた「country kitchen」というお店。ちょっと隠れ家的なところがある。店内に入ると、女性客がほとんどだった。カウンターに座って、適当に注文。それぞれの現状の話をした。愚痴モードというか、オフレコモードな話が飛び出す。
やりきれない話だけでは持たない。苦笑でもいいから笑える話を。
友人が大学の研究室に挨拶に行った時の話。我々の世代はどちらかといえば不真面目な世代だったと自覚しているのだが、挨拶に行ったところ教授が現在研究室に所属している人達の志の低さを嘆いていたという。化粧している男子学生。研究室前の廊下に座り込んで携帯メールを打っている女子学生。地方大学の工学部でこれなのだ。況や・・・
続いて、ある学会の全国大会での一件。流行のモード系スーツを着こなす茶髪の学生の発表。敢えてそういう服装を見に纏うのだ、さぞや出来る人なのだろうと思ったら・・・。緊張していたのだろう。どうにか学会言葉で発表を済ませたのだが、質問を受けて「地」が出てしまった。「えっと〜ぅ・・・」 渋谷でインタビューを受けているような拙い口調。見に行った友人はずっこけたらしい。
移動体通信である携帯を手放せない学生を嘆く工学部教授という構図はとても皮肉な構図だ。それは団塊の世代が築き上げてきたと自負してきた日本が、次代を担う世代が、「この様に」なってしまった事に途方に暮れているのにも似て。
アメ横に場所を移して、店をひやかして行く。アクセサリーショップで明日の為に、緑のバンダナを買った。
衣類や靴屋の隣に鮮魚店が並ぶ。香水の安売り店の隣が魚屋で、香水の香りを嗅いでいる隙を塗って魚の生臭い臭いが鼻に飛び込んでくるのに、雑然としたアジアらしさを感じた。
乾物屋の並びにコーヒー豆屋があった。キリマンジャロが500gで800円。安い。自家焙煎というところに不安があったが、好みの煎りでなくてもこの安さなら許せるな。会社で飲む分には十分。
昼食を食べていないので、周辺で面白そうな店を探す。高架下でカップ酒片手に焼き鳥を食べている人達の姿に惹かれたが、今後の予定を考えて断念。通り過ぎようとしたところ、気になる古びた看板。看板と同じく古びた定食屋だけど、どこか惹かれるものがあったので飛び込んでみた。馴染み客が食事をしている。思った以上にまともなものが出てきた。久々にポークソテーを食べてお腹を満たす。
再度、アメ横を散策した。物欲を押さえながら。ちょっといいなと思うものが沢山見つかる。通販のカタログを見ているのと同じようなものか。日頃、目にしない商品が飛び込んできて、物欲中枢が刺激されるのだろう。
駅に戻る道すがら、お土産に舟和の芋羊羹を購入。楽しかったです。是非、また。
東京駅で東海道本線に乗り換え、藤沢駅に。元研究室仲間と合流し、駅ビル内にある市民センターに。先生が所属している趣味の絵画グループの展示会。記帳していると、席を外していた先生がやってきた。本当に見に来るとは・・・と思われたのだろうか、ちょっと驚きの表情があった。とりあえず、先ほど買ったお菓子を皆さんとどうぞとお渡しした。それにしてもお変わりない。退官されて結構経っている。70を越えていらっしゃるはずだが、血色といい、眼の輝きといい変わっていない。それは今だ仕事を抱え、忙しい日々を送っていらっしゃるからだろう。
先生の所属している絵画グループは油彩のみのグループらしい。一水会に所属している画家を招いて指導を受けているとのこと。私の知らない先生の一面である作品を見ることができたのはよかった。静物画のタッチがよい感じ。
油彩、面白そうだ。色を置いて行くことで構成される絵画。水彩とは違う描き方が面白い。一緒にいたH君はパステルをやっているのだが、油彩に興味があるようだ。現実にはワンルームに住んでいるという制約上、自分の部屋で油彩をするのは厳しい。テレピン油の匂いとかもあるが、部屋の狭さがネックになっている。ある程度の大きさのキャンバスを相手にした場合、後ろに下がって構図などを確認する必要がある。彼が描いている用紙の限界はこれで規定されてしまうという。窓際に用紙を置いて、玄関まで下がって確認しているという。泣かせる住宅事情だ。そして、それは鑑賞者である私も同じ。
先生とお別れした後、軽く呑むことにした。2月頭にあった友人の結婚式の2次会の候補にあった店。入り口が判りづらいので止めた「country kitchen」というお店。ちょっと隠れ家的なところがある。店内に入ると、女性客がほとんどだった。カウンターに座って、適当に注文。それぞれの現状の話をした。愚痴モードというか、オフレコモードな話が飛び出す。
やりきれない話だけでは持たない。苦笑でもいいから笑える話を。
友人が大学の研究室に挨拶に行った時の話。我々の世代はどちらかといえば不真面目な世代だったと自覚しているのだが、挨拶に行ったところ教授が現在研究室に所属している人達の志の低さを嘆いていたという。化粧している男子学生。研究室前の廊下に座り込んで携帯メールを打っている女子学生。地方大学の工学部でこれなのだ。況や・・・
続いて、ある学会の全国大会での一件。流行のモード系スーツを着こなす茶髪の学生の発表。敢えてそういう服装を見に纏うのだ、さぞや出来る人なのだろうと思ったら・・・。緊張していたのだろう。どうにか学会言葉で発表を済ませたのだが、質問を受けて「地」が出てしまった。「えっと〜ぅ・・・」 渋谷でインタビューを受けているような拙い口調。見に行った友人はずっこけたらしい。
移動体通信である携帯を手放せない学生を嘆く工学部教授という構図はとても皮肉な構図だ。それは団塊の世代が築き上げてきたと自負してきた日本が、次代を担う世代が、「この様に」なってしまった事に途方に暮れているのにも似て。
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