いぬもあるけば・・・「花見遠征」
2002年4月7日 朝早く目が覚める。頭痛がする。こめかみ周辺が痛い。軽い二日酔いのようだ。やはり体調は十分ではなかったのかと思いながら迷った。さすがに昨日と同じような休日の過ごし方は避けたい。しかし、この頭痛はネックだ。
気が付くとTVは朝のアニメをやっている。「ミニカーべーごま」ともいえる遊びを元にしたアニメのようだ。ボンボンとかで漫画が連載されているような感じの設定。総集編的な展開で、主人公が仲間との出会いを偶々出会った老人に語っていた。話を聞いた老人が主人公達の関係を評して『ソウルメイト』と言ったのに驚いた。この単語をこういう子供対象の番組で耳にするとは。
輝度の高い画面が目を疲れさせ、頭痛に良くないことに気が付いて切った。さて、どうしよう。状況を確認。やりたいことは沢山。その中でも優先順位が高いのは「花見」「綺朔さんの個展」「松風さんの実演」など。
元々、今日は内野小学校の桜の下で花見をする予定だった。そのため、土日キップも購入している。が、前日までの天気予報は雨で、かつ飴主催者というか音頭を取った仰木さんが体調を崩して行けないことが判明。他の面子も年度初めで忙しいために不参加を表明し、企画は自然消滅しかけていた。綺朔さんの個展はDMによると、今日の午後3時から。松風さんの個展も再訪したい。土日キップは今日でも払い戻しが可能なのだろうか?
とりあえず、お昼近くまで寝ることにした。どうせ、花見も皆で集まる訳ではないし、綺朔さんや松風さんの個展にも間に合う。横になりながら、再度考えた。花見に行くことについて。もしキップの払い戻しが出来るならば、1.6k円が浮く。それで何かを買うことができる。どうせ皆とワイワイ花見をすることができないのだ。ここまで考えて、ふと気が付いた。このまま雪崩式に企画がぽしゃったら、そのきっかけとなった仰木さんは感じる必要のない責任を感じてしまうかも知れないではないか。皆でワイワイ・・・も楽しみであったが、私は元々仰木さんが提案しなくても見に行こうと思っていたはず。思い入れのある光景を再び見たいと。桜花咲き乱れる光景はそう長く続かない。今日、行かなければ次の機会は来年以降になるだろう。そのとき行く時間的余裕があるだろうか?第一、来年まで私が生きているとは限らない。
頭痛は完全に治まらなかったが、寝たのは効果があった。時刻の経過は現地の天気の回復となって表れた。駅探で時刻表を確認すると、今から出れば16時前に内野駅に着けることが判った。最低でも2時間ぐらいは観られる。たかが2時間だが、その場に居ることが肝要。
新幹線の中で『「自分のために生きていける」ということ − 寂しくて、退屈な人たちへ −』を読む。新幹線を降り、在来線乗り換えの手前で座席にお土産用のお菓子を置き忘れてきたことに気が付いた。すでに車両は回送されていた。回収を断念。明日の朝にここにはいない。何故、忘れたのだろう。後で判った。写真部の部室にお土産を置きにゆく時間的余裕はなかった。もし、お土産があったら、それに束縛されて無理が生じていたろう。つまり、そういうことだ。
車窓からの光景、当時ありきたりなものだと思っていた光景に惹かれる。ありきたりでないことを知ったから。内野駅のホームに立って、内野小学校の校庭の桜を見た。ああ、これを観に来たんだ。「やひち」でお酒を物色。鶴の友や八海山などがあるが・・・一人で呑むにはちょっと多い。エチゴビール1缶だけでいい。ツマミを求めて、「いちまん内野店」に。衝動買い。買い過ぎた。
校庭を取り囲むように植えられている、あちこちのソメイヨシノの下で花見客がシートを広げている。さすがにシートを広げて一人で座るのは哀し過ぎるものがあるので、校庭には降りずに高台に位置する校舎近くの樹の下に腰掛けた。ちょっと手を伸ばせば花に触れる。
ビールを呑み、遅い昼食を兼ねたツマミをつまむ。曇っているが次第に回復している。風もなく、花見にはいい天気だ。予報が外れてくれてよかった。本を読んだり、モバイルしたり、桜花の香りする空気を深呼吸してみたり。2時間ほど過ごした後、デジカメで撮影しながら駅に向かった。
白山駅から古町方面に。白山神社付近も桜が咲いている。夕闇の中、ライトアップされているのも綺麗。古町通りを経由して、西堀通りの喫茶店に寄る。店主は顔を覚えていてくれて、「随分、久しぶりだわよね。」 カウンターに座る。ほぼ1年ぶりか。昨年のGWに来た事を覚えている。アッサムのミルクティーを頼んで、お話。タイミングが良かったみたいだ。再来週から一週間ほどパリとロンドンに茶葉買い付けついでの旅に出るとのこと。年二回の自分に対してのご褒美だと。現地にいる知人の家に厄介になるらしい。出発前に一日東京泊して映画を観ると聞いて、何を観るのか尋ねたところ「エトワール」などを観るらしい。あのバレエの映画か。面白そうな映画だった。
そんな話をしていると、馴染み客らしい女性がやってきた。軽く一杯引っ掛けてきたらしい。ハーフパイント・・・という言葉に反応。どうやら最近、イギリス人が店主のフードパブが出来たらしい。ギネスを楽しめる店だ。食べ物は本格的過ぎてキツイという話。パイなど硬かったりするので、食後に行くのがいいとこのと。本格的なので店にはフライヤーなどないらしい。フィッシュ&チップスはなさそうだ。
この女性客も英国慣れした趣味人のようで、店主と親しげに話している。どうやら市内の小学校の司書をしているらしい。この間、本の整理をしていたところ、教頭に呼び出されたという。何だろうと思ったら、今度ニュージーランドからやってきた派遣英語教師との通訳。今年から市内の小学校のうち、30校にネイティブスピーカーを派遣して生きた英語を聞かせるという試みをこの教育委員会が企画したらしい。だが、一ヶ月に一回、一時限。30校で月一回?もしかして・・・やはり教師は一人で次々どさまわりするらしい。生徒の顔を覚えることなんてできないだろう。大変な仕事だ。教頭は彼女に「こんなスケジュールでどれだけ効果があるか判らないが、頑張って欲しい」云々などを伝えて欲しいと頼んだ。それは挨拶としてはあんまりではないか? 今後、どさまわり先でどういう風に扱われるのかと思うと、そのニュージーランド人が可哀相になった。
思った以上にゆったりできた。気力が回復しているのを感じる。語らいが足りなかったのかしらん。もしかしたらGWにまた遊びに来れるかもと挨拶して店を出た。その足で話題に上がっていたパブを探したが見つからない。中途半端に聞いていたから、別の話題の場所とごっちゃになったらしい。途方に暮れて、コンビニに入り、タウン誌を手に取る。最近、開店したのならば載っているかも。予想は当たった。店の名前は「The Black Pig British Pub」。店の場所も確認。だが、終電の時間だ。寄ったら帰れない。残念だが諦めて駅に向かった。次に来た時には必ず・・・
気が付くとTVは朝のアニメをやっている。「ミニカーべーごま」ともいえる遊びを元にしたアニメのようだ。ボンボンとかで漫画が連載されているような感じの設定。総集編的な展開で、主人公が仲間との出会いを偶々出会った老人に語っていた。話を聞いた老人が主人公達の関係を評して『ソウルメイト』と言ったのに驚いた。この単語をこういう子供対象の番組で耳にするとは。
輝度の高い画面が目を疲れさせ、頭痛に良くないことに気が付いて切った。さて、どうしよう。状況を確認。やりたいことは沢山。その中でも優先順位が高いのは「花見」「綺朔さんの個展」「松風さんの実演」など。
元々、今日は内野小学校の桜の下で花見をする予定だった。そのため、土日キップも購入している。が、前日までの天気予報は雨で、かつ飴主催者というか音頭を取った仰木さんが体調を崩して行けないことが判明。他の面子も年度初めで忙しいために不参加を表明し、企画は自然消滅しかけていた。綺朔さんの個展はDMによると、今日の午後3時から。松風さんの個展も再訪したい。土日キップは今日でも払い戻しが可能なのだろうか?
とりあえず、お昼近くまで寝ることにした。どうせ、花見も皆で集まる訳ではないし、綺朔さんや松風さんの個展にも間に合う。横になりながら、再度考えた。花見に行くことについて。もしキップの払い戻しが出来るならば、1.6k円が浮く。それで何かを買うことができる。どうせ皆とワイワイ花見をすることができないのだ。ここまで考えて、ふと気が付いた。このまま雪崩式に企画がぽしゃったら、そのきっかけとなった仰木さんは感じる必要のない責任を感じてしまうかも知れないではないか。皆でワイワイ・・・も楽しみであったが、私は元々仰木さんが提案しなくても見に行こうと思っていたはず。思い入れのある光景を再び見たいと。桜花咲き乱れる光景はそう長く続かない。今日、行かなければ次の機会は来年以降になるだろう。そのとき行く時間的余裕があるだろうか?第一、来年まで私が生きているとは限らない。
頭痛は完全に治まらなかったが、寝たのは効果があった。時刻の経過は現地の天気の回復となって表れた。駅探で時刻表を確認すると、今から出れば16時前に内野駅に着けることが判った。最低でも2時間ぐらいは観られる。たかが2時間だが、その場に居ることが肝要。
新幹線の中で『「自分のために生きていける」ということ − 寂しくて、退屈な人たちへ −』を読む。新幹線を降り、在来線乗り換えの手前で座席にお土産用のお菓子を置き忘れてきたことに気が付いた。すでに車両は回送されていた。回収を断念。明日の朝にここにはいない。何故、忘れたのだろう。後で判った。写真部の部室にお土産を置きにゆく時間的余裕はなかった。もし、お土産があったら、それに束縛されて無理が生じていたろう。つまり、そういうことだ。
車窓からの光景、当時ありきたりなものだと思っていた光景に惹かれる。ありきたりでないことを知ったから。内野駅のホームに立って、内野小学校の校庭の桜を見た。ああ、これを観に来たんだ。「やひち」でお酒を物色。鶴の友や八海山などがあるが・・・一人で呑むにはちょっと多い。エチゴビール1缶だけでいい。ツマミを求めて、「いちまん内野店」に。衝動買い。買い過ぎた。
校庭を取り囲むように植えられている、あちこちのソメイヨシノの下で花見客がシートを広げている。さすがにシートを広げて一人で座るのは哀し過ぎるものがあるので、校庭には降りずに高台に位置する校舎近くの樹の下に腰掛けた。ちょっと手を伸ばせば花に触れる。
ビールを呑み、遅い昼食を兼ねたツマミをつまむ。曇っているが次第に回復している。風もなく、花見にはいい天気だ。予報が外れてくれてよかった。本を読んだり、モバイルしたり、桜花の香りする空気を深呼吸してみたり。2時間ほど過ごした後、デジカメで撮影しながら駅に向かった。
白山駅から古町方面に。白山神社付近も桜が咲いている。夕闇の中、ライトアップされているのも綺麗。古町通りを経由して、西堀通りの喫茶店に寄る。店主は顔を覚えていてくれて、「随分、久しぶりだわよね。」 カウンターに座る。ほぼ1年ぶりか。昨年のGWに来た事を覚えている。アッサムのミルクティーを頼んで、お話。タイミングが良かったみたいだ。再来週から一週間ほどパリとロンドンに茶葉買い付けついでの旅に出るとのこと。年二回の自分に対してのご褒美だと。現地にいる知人の家に厄介になるらしい。出発前に一日東京泊して映画を観ると聞いて、何を観るのか尋ねたところ「エトワール」などを観るらしい。あのバレエの映画か。面白そうな映画だった。
そんな話をしていると、馴染み客らしい女性がやってきた。軽く一杯引っ掛けてきたらしい。ハーフパイント・・・という言葉に反応。どうやら最近、イギリス人が店主のフードパブが出来たらしい。ギネスを楽しめる店だ。食べ物は本格的過ぎてキツイという話。パイなど硬かったりするので、食後に行くのがいいとこのと。本格的なので店にはフライヤーなどないらしい。フィッシュ&チップスはなさそうだ。
この女性客も英国慣れした趣味人のようで、店主と親しげに話している。どうやら市内の小学校の司書をしているらしい。この間、本の整理をしていたところ、教頭に呼び出されたという。何だろうと思ったら、今度ニュージーランドからやってきた派遣英語教師との通訳。今年から市内の小学校のうち、30校にネイティブスピーカーを派遣して生きた英語を聞かせるという試みをこの教育委員会が企画したらしい。だが、一ヶ月に一回、一時限。30校で月一回?もしかして・・・やはり教師は一人で次々どさまわりするらしい。生徒の顔を覚えることなんてできないだろう。大変な仕事だ。教頭は彼女に「こんなスケジュールでどれだけ効果があるか判らないが、頑張って欲しい」云々などを伝えて欲しいと頼んだ。それは挨拶としてはあんまりではないか? 今後、どさまわり先でどういう風に扱われるのかと思うと、そのニュージーランド人が可哀相になった。
思った以上にゆったりできた。気力が回復しているのを感じる。語らいが足りなかったのかしらん。もしかしたらGWにまた遊びに来れるかもと挨拶して店を出た。その足で話題に上がっていたパブを探したが見つからない。中途半端に聞いていたから、別の話題の場所とごっちゃになったらしい。途方に暮れて、コンビニに入り、タウン誌を手に取る。最近、開店したのならば載っているかも。予想は当たった。店の名前は「The Black Pig British Pub」。店の場所も確認。だが、終電の時間だ。寄ったら帰れない。残念だが諦めて駅に向かった。次に来た時には必ず・・・
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