優柔不断な態度が表に出た。明日の旅行の予定をキャンセルするかどうか。財政的に無理なのではという理由で検討し始めたキャンセル案であり、行きたくないわけではない。家計簿のエクセルデータを睨みながら、スケジュール案を色々思い浮かべて検討。最後は時間切れ、「旅行決行」が優勢勝ちした。

 「キェルケゴール 憂愁と愛」。キェルケゴール研究に造詣深い著者が日本で定着している「難渋な思想を弄する実存哲学者。人間嫌いな変人」という虚像を廃したいという思いから書き記した、キェルケゴールに関する伝記的な本である。
 セーレン・キェルケゴール。彼に対しての上記のイメージは、私にはピンとこない。「難渋な思想」「人間嫌い」・・・はて?
 彼ほど、哀しいくらいロマンチックな人もいないと思う。彼の人生と思想はそのまま恋愛小説だ。元々、ミーハーな関心から彼の著作を読み出したので、特にそう思う。難解な哲学の・・・というイメージなしに読めば、主著(例えば『死に至る病』)も恋愛指南書であることが判る。冗談だと思うだろうが、彼の全ての著書は生涯唯一の恋人に対して捧げられている。そして、彼の人生もまた。しかし、現世では報われることはなかった。その悲劇性が胸を打つ。
 
 150年ほど前にそういう人生を生きた人がいた。それを知ることができるだけでも、幸福であると言える。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索