いぬもあるけば・・・「本棚」
2002年7月6日 昨日、会社に届いたDMに誘われて、目黒のGALLERY inosというギャラリーで催された個展を見に行った。
森田彗さんの個展。「<絵画>と<情報>の不可分性を、20世紀美術は遺した」という副題がついている。森田さんはニフティのfART(芸術フォーラム)で知り合った方。元SYSOP。そういう活動に携わっていたこともあって、<情報>について色々考えているアーティストの一人。
アンミラ目黒店の前を通り過ぎ、もうしばらく行ったところ。妙にお洒落な自動車学校の角向かいに「猪野建築設計」があった。ここの通りに面したガラス張りの小フロアをギャラリースペースとして提供している。
頂いたDMに載っていた絵を見た時に無題だと思っていたのだが、実際にはタイトルがあった。イメージが固着してしまうを恐れ、読む衝動を抑えながら、鑑賞。名と体。一通り見終わった後にタイトルを観た。私が得たイメージとは合わない。なのでタイトルを<ポインタ>として捉えることにした。<配列名>ではなく、<メモリ>を指し示す実体のないもの。
本人不在だが、チラシが置いてある。
『<絵画>を問うことと<情報>を問うことの不可分性』
チラシを読んで思う。
<絵画>を問うとは、なにか?
<情報>を問うとは、なにか?
そして、その思考の必然として出てくる。
<絵画>とは、なにか?
<情報>とは、なにか?
ベンヤミンの「複製芸術論」ぐらい目を通して置かないとヤバイよなぁ・・・
芳名帳を覗くと千速さんの名前がある。今日の日付だ。滋賀から東京に出てくる用事があったのだろか?記帳していると、設計事務所の人が出てきた。森田さんと連絡を取ってくれるという。私のためにわざわざ連絡を取って頂かなくてもと断ったが、元々来る予定だったらしい。連絡が付き、森田さんがやってくることになった。
到着までの間、設計事務所内の応接で待つことに。恐縮しながらも、興味津々で周囲を見渡していた。なぜなら、周囲は本棚で資料らしきものが隙間なく入れられていたから。私がイメージしていたもの以外の書籍があって驚いた。既存の建築デザインの本や建築に直接関係する本だけではない。トイレについての新書、チベット展など美術展の図録など。本棚を見ることで、<建築>がベースにしているものが見えてくる。面白い。<建築>が人間を対象にした綜合芸術であることが図らずもこれら資料のゲシュタルトによって浮かび上がってくるのだ。
好きな本を読んでもいいと言われたので、分厚い本を1つ手にとってみた。
「元型と象徴の事典 アーキタイプ・シンボル研究文庫 ベヴァリー・ムーン 青土社」
ユングの<元型>と<象徴>を世界各地の古代文化遺産とそれが表す神話の中に見出して行く辞典。
森田さんがやってきた。fartのことや変わってしまったニフティのことについて話をした。Mr.niftyと呼ばれる人がヘッドハンティングされた後のニフティ。ヤン・ウェンリーを欠いた自由惑星同盟みたいなものか。
近くのとんかつ屋に行って、一緒に食事。カウンター隣の青年二人がサッカー談義。今後のサッカー界を憂いている様子。
店を出た。てぽてぽと歩く。気がつくと、東京都写真美術館の脇を歩いていた。恵比寿駅で森田さんとお別れした。
数十分後、たまははきの暖簾を潜る。昨日買った本、「新しい日本酒の話」をここで読みたかったから。カウンターで純米をチビチビやりつつ。茄子の忘れ煮を作る時に取り除いた皮を使っての「茄子の皮のキンピラ」の旨さにちょっと感動。これが突き出しなのだからなぁ。メニューにしてほしい。ご飯が欲しくなる。
読んでいると、「そんなもん読んでないで・・・これ、知ってるか?」と親父さんに今月の「東京人」という雑誌を渡された。はて?一体・・・。不思議に思いつつ、頁を捲る。をー!先月までお世話になった山菜が載っていた。
隣のお客が頼んだついでに頼むことができた「ナメロウ」。旨いねぇ。酒が進む。さいこーっ!
不精うどんを食べきり、本も読み終えた。何故、この本をここで読もうと思ったか。それはこの本が最後に取り上げている醸造所が「樋木酒造」だから。内野で鶴の友を作っているのがここ。まさか、こんな新書本で内野の4醸造所が取り上げられるとは。その4銘柄はそれぞれ「日本海」「越の関」「朗」そして「鶴の友」。かつて付近に住んでいた私にとっては馴染みの銘柄。
今日一日の総論として、樋木さんの言葉を引用して終わりにしよう。
「どの酒が旨いとか、一番いいとか、そして、そういう酒ばかりが飲まれたり、飲みすぎたりされることは、どうかなあと思うんです」
森田彗さんの個展。「<絵画>と<情報>の不可分性を、20世紀美術は遺した」という副題がついている。森田さんはニフティのfART(芸術フォーラム)で知り合った方。元SYSOP。そういう活動に携わっていたこともあって、<情報>について色々考えているアーティストの一人。
アンミラ目黒店の前を通り過ぎ、もうしばらく行ったところ。妙にお洒落な自動車学校の角向かいに「猪野建築設計」があった。ここの通りに面したガラス張りの小フロアをギャラリースペースとして提供している。
頂いたDMに載っていた絵を見た時に無題だと思っていたのだが、実際にはタイトルがあった。イメージが固着してしまうを恐れ、読む衝動を抑えながら、鑑賞。名と体。一通り見終わった後にタイトルを観た。私が得たイメージとは合わない。なのでタイトルを<ポインタ>として捉えることにした。<配列名>ではなく、<メモリ>を指し示す実体のないもの。
本人不在だが、チラシが置いてある。
『<絵画>を問うことと<情報>を問うことの不可分性』
チラシを読んで思う。
<絵画>を問うとは、なにか?
<情報>を問うとは、なにか?
そして、その思考の必然として出てくる。
<絵画>とは、なにか?
<情報>とは、なにか?
ベンヤミンの「複製芸術論」ぐらい目を通して置かないとヤバイよなぁ・・・
芳名帳を覗くと千速さんの名前がある。今日の日付だ。滋賀から東京に出てくる用事があったのだろか?記帳していると、設計事務所の人が出てきた。森田さんと連絡を取ってくれるという。私のためにわざわざ連絡を取って頂かなくてもと断ったが、元々来る予定だったらしい。連絡が付き、森田さんがやってくることになった。
到着までの間、設計事務所内の応接で待つことに。恐縮しながらも、興味津々で周囲を見渡していた。なぜなら、周囲は本棚で資料らしきものが隙間なく入れられていたから。私がイメージしていたもの以外の書籍があって驚いた。既存の建築デザインの本や建築に直接関係する本だけではない。トイレについての新書、チベット展など美術展の図録など。本棚を見ることで、<建築>がベースにしているものが見えてくる。面白い。<建築>が人間を対象にした綜合芸術であることが図らずもこれら資料のゲシュタルトによって浮かび上がってくるのだ。
好きな本を読んでもいいと言われたので、分厚い本を1つ手にとってみた。
「元型と象徴の事典 アーキタイプ・シンボル研究文庫 ベヴァリー・ムーン 青土社」
ユングの<元型>と<象徴>を世界各地の古代文化遺産とそれが表す神話の中に見出して行く辞典。
森田さんがやってきた。fartのことや変わってしまったニフティのことについて話をした。Mr.niftyと呼ばれる人がヘッドハンティングされた後のニフティ。ヤン・ウェンリーを欠いた自由惑星同盟みたいなものか。
近くのとんかつ屋に行って、一緒に食事。カウンター隣の青年二人がサッカー談義。今後のサッカー界を憂いている様子。
店を出た。てぽてぽと歩く。気がつくと、東京都写真美術館の脇を歩いていた。恵比寿駅で森田さんとお別れした。
数十分後、たまははきの暖簾を潜る。昨日買った本、「新しい日本酒の話」をここで読みたかったから。カウンターで純米をチビチビやりつつ。茄子の忘れ煮を作る時に取り除いた皮を使っての「茄子の皮のキンピラ」の旨さにちょっと感動。これが突き出しなのだからなぁ。メニューにしてほしい。ご飯が欲しくなる。
読んでいると、「そんなもん読んでないで・・・これ、知ってるか?」と親父さんに今月の「東京人」という雑誌を渡された。はて?一体・・・。不思議に思いつつ、頁を捲る。をー!先月までお世話になった山菜が載っていた。
隣のお客が頼んだついでに頼むことができた「ナメロウ」。旨いねぇ。酒が進む。さいこーっ!
不精うどんを食べきり、本も読み終えた。何故、この本をここで読もうと思ったか。それはこの本が最後に取り上げている醸造所が「樋木酒造」だから。内野で鶴の友を作っているのがここ。まさか、こんな新書本で内野の4醸造所が取り上げられるとは。その4銘柄はそれぞれ「日本海」「越の関」「朗」そして「鶴の友」。かつて付近に住んでいた私にとっては馴染みの銘柄。
今日一日の総論として、樋木さんの言葉を引用して終わりにしよう。
「どの酒が旨いとか、一番いいとか、そして、そういう酒ばかりが飲まれたり、飲みすぎたりされることは、どうかなあと思うんです」
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