いぬもあるけば・・・「セレンディピティ」
2002年10月5日 研究社の「リーダーズ英和辞典」によると
『serendipity:求めずして思わぬ発見をする能力;思いがけないものの発見;運よく発見したもの。』
昨日購入した新書「偶然からモノを見つけだす能力 著:澤泉重一」。著者はこの馴染のないカタカナ語を「偶察力」と訳している。偉大な発見の裏に働く力。
予定では午前中に新潟に遠征するつもりだった。が、夜更かしして本を読んでいた結果、起きた瞬間に予定を変更しなければならないことを知る。‥‥仕方ない。新潟は諦め、代りに先週行った「あの店」に寄ってから、車中の人になろう。
早くも今回の旅も行き当たりばったりの様相を呈してきた‥‥
名水を汲んでその場でコーヒーでも沸かそうかとバーナーやコッヘルを持っていくことも考えたが、本当に名水の地に行くかも分からないので持っていくのを止めた。それどころか着替えも持たず、暑いので半袖のままで出発。土日キップを最大限に利用すれば宿泊せず、一旦帰宅できる。そんないい加減な気持ちでとりあえず出発。
JR原宿駅を降り、土曜日の喧騒の中を歩きながら「ふしみ」に。抹茶セットを頼みながら、拾い読みした新書をきちんと読む。
傾いてきた日の光がビルの間を抜けて差し込み、障子に模型の竹の影を映し出すのを見たりしていると、先程の喧燥が嘘のような気がする。ちなみにこの竹の模型は「利家とまつ」で使われた大道具の廃品を利用したものらしい。
セレンディピティを説明する本を読みながら、そのセレンディピティの顕現を感じる。振り返りれば、この店を見つけたのも偶然の成せる業。気に留めて、恐る恐るながらも「扉を開けて」入らなければ得られなかったもの。これがリンクの沢山張られたRPGの面白さかしらん。
「で、コンサートは如何でしたか?」
店長さんも、店員さんも前回私が「これから用事がある」と言って出ていったのを覚えていた。しかし、あのCROWのライブをコンサートというには違和感が。そこで、あの時の驚きと共に事情を掻い摘んで説明。偶々持っていた、ダリエFCの会報を片手に。コラボレーションとしてシェイクスピアの劇が取り入れられたものだった事など。
その後、店長さんから、この店で催されているイベントについて話を聞く。ワイン講習会やらやっているらしい。場所柄、面白いメンバーに遭遇できそう。野田幹子ML関係で「カノン」に行って楽しんだ事もあるが、ワインの知識は常識レベルしかない。目標はソムリエ試験だけれど、現在は初級レベルらしいので私にも参加できそう。日程を教えて貰ったところ、次回の講習会の日に予定はない。とりあえず参加してみましょうか。自分と違う世界の人の話を聞けるだろうし、それはとても刺激的な事。店長さん自身相当、奥行きが深そうで面白い。問題は自分が提供できるものが余りないということか。情報のやり取りはGive&Takeが基本だが、私の業務からすると‥‥。
埼京線経由で大宮に出て、上越新幹線に乗り込んだ。トンネルを抜けると‥‥妙に暗い。どうやら曇っているようだ。もしかして半袖では厳しい?そんな事を考えながら‥‥寝てしまった。
‥‥呆然としながら、新潟駅にいた。と、取りあえず連絡(汗)。それからヨドバシカメラでバイオUのチラシを貰って再び車中の人に。
長岡駅東口のマックでコーヒーを飲みながら、ロミオとジュリエットを読んでみる。どうにか合流でき、旅行を思い立ったきっかけである蕎麦を食べるため、オススメの店に案内してもらった。最初の企画では「小嶋屋の新蕎麦食べ放題にチャレンジ」が最大の目的だった。が、その日程にお見舞いに行ってしまったため、時期をちょっと逸している感じになってしまった。が、ともかく蕎麦だ。
「天池」という店に行った。ここはつなぎにフノリだけでなく、ゴボウも使っているという。最初、あのゴボウそのものを使っているのかと思ったがどうやら違うようだ。葉か茎を使っているのだろう。田舎風の黒い蕎麦。天ぷら盛り合わせと一緒に頂く。美味しい。が、それよりも店内のTVで流れていたK−1の試合の方に気が捕らわれてしまっていたような‥‥。
閉店時間になっていることもあり、ゆっくりお喋りできる雰囲気ではないので喫茶店に移動。何故か、タピオカシェークパフェというものにちゃれんじする羽目に。びみょ〜な味を味わいつつ、お喋り。体育会系というものは大変だなぁ。イタイ話だ。ホント、お疲れ様です。
駅前のビジネスホテルにチェックイン(一旦帰宅することを断念)。荷物を置いて、コンビニに買い出しにでたところ、隣のホテルがシングル38k円だと知った。うぐ、悔しい・・・。
部屋に戻ってTVを付ける。地方局だから関東圏とは違う番組編成。何気なくチャンネルを変えていたら、信じられない映像が。fra-foaの三上ちさ子さんの単独インタビュー。インタヴュアーの質問や会話も単なる営業ではなく、fra-foaをきちんとチェックしている事が判る内容。東京キー局の番組かと思ったが、場所は新潟市内のカフェ。ということは新潟独自の音楽番組。「音楽と髭」という番組だった。
このところきちんとチェックしていなかったのだが、三上さんは変わった。おそらくそれは良い方向に。今まで、「私って?」と自分を切り刻む感じで自分の中に何があるのかを見つめ歌い続けてきたのが、そうではなくなりつつあると。一種の「拡散」が生じている。突き抜けて途方に暮れているようなイメージをそこに見る。
ひたすら自分を見つめ傷つけ、その瞬間に何かを感じるというのは「自傷行為」だ。そこにカリスマを見出すというのは彼女を贄とする行為とも解釈でき、異様で危険なものも感じた。いつか彼女は完全に壊れてしまう、無意識に望まれている壊れ役を引き受けてしまうのではという。
が、インタヴューを受けている彼女からあの時の危うさは大分抜けていた。「盲目的にひたすら自分自身であろうとする」視点から「関係の中に自分がある」という視点に移りつつある。というか、そういう考えがあることに気付きつつあるという印象を受けた。インタヴュアーもその変化を感じ取り、それに好意を持っている事が判る。そして、その事がインタヴュアーが営業だけでない立場で見ている事を示している。彼女の変化は「fra-foa」という商品の価値を変化させてしまう。彼女の「幸福」がfra-foaの「商業的成功」と結び付くとは限らない。でも、インタビュアーは彼女の変化を喜んでいた。それは、先に生きている先輩が後輩を優しく見守る、しかし多少個人的な趣向に基づく視線。残念ながら自分の位置から見ているので、完全には彼女を理解しきれてはいない。「生きて行く意欲が沸かない主人公が飛行機事故に遭い、落ちる飛行機の中でようやく『生きている実感』を感じられた」というシチュエーションが判らない。それがハッピーな事が判らない。その「一瞬が全て」「一瞬こそが永遠」というのが理解できない。そういう点があるとしても、このインタビュ−映像はとても貴重で素晴らしい(少なくとも私にとっては)ものだった。偶々、新潟県に遊びにきて、偶々自宅に帰らずに宿泊したために見られた映像。
その後に別チャンネルで「水曜どうでしょうリターンズ」を見ながら、改めてあの単語が思い起こされた。
『serendipity:求めずして思わぬ発見をする能力;思いがけないものの発見;運よく発見したもの。』
昨日購入した新書「偶然からモノを見つけだす能力 著:澤泉重一」。著者はこの馴染のないカタカナ語を「偶察力」と訳している。偉大な発見の裏に働く力。
予定では午前中に新潟に遠征するつもりだった。が、夜更かしして本を読んでいた結果、起きた瞬間に予定を変更しなければならないことを知る。‥‥仕方ない。新潟は諦め、代りに先週行った「あの店」に寄ってから、車中の人になろう。
早くも今回の旅も行き当たりばったりの様相を呈してきた‥‥
名水を汲んでその場でコーヒーでも沸かそうかとバーナーやコッヘルを持っていくことも考えたが、本当に名水の地に行くかも分からないので持っていくのを止めた。それどころか着替えも持たず、暑いので半袖のままで出発。土日キップを最大限に利用すれば宿泊せず、一旦帰宅できる。そんないい加減な気持ちでとりあえず出発。
JR原宿駅を降り、土曜日の喧騒の中を歩きながら「ふしみ」に。抹茶セットを頼みながら、拾い読みした新書をきちんと読む。
傾いてきた日の光がビルの間を抜けて差し込み、障子に模型の竹の影を映し出すのを見たりしていると、先程の喧燥が嘘のような気がする。ちなみにこの竹の模型は「利家とまつ」で使われた大道具の廃品を利用したものらしい。
セレンディピティを説明する本を読みながら、そのセレンディピティの顕現を感じる。振り返りれば、この店を見つけたのも偶然の成せる業。気に留めて、恐る恐るながらも「扉を開けて」入らなければ得られなかったもの。これがリンクの沢山張られたRPGの面白さかしらん。
「で、コンサートは如何でしたか?」
店長さんも、店員さんも前回私が「これから用事がある」と言って出ていったのを覚えていた。しかし、あのCROWのライブをコンサートというには違和感が。そこで、あの時の驚きと共に事情を掻い摘んで説明。偶々持っていた、ダリエFCの会報を片手に。コラボレーションとしてシェイクスピアの劇が取り入れられたものだった事など。
その後、店長さんから、この店で催されているイベントについて話を聞く。ワイン講習会やらやっているらしい。場所柄、面白いメンバーに遭遇できそう。野田幹子ML関係で「カノン」に行って楽しんだ事もあるが、ワインの知識は常識レベルしかない。目標はソムリエ試験だけれど、現在は初級レベルらしいので私にも参加できそう。日程を教えて貰ったところ、次回の講習会の日に予定はない。とりあえず参加してみましょうか。自分と違う世界の人の話を聞けるだろうし、それはとても刺激的な事。店長さん自身相当、奥行きが深そうで面白い。問題は自分が提供できるものが余りないということか。情報のやり取りはGive&Takeが基本だが、私の業務からすると‥‥。
埼京線経由で大宮に出て、上越新幹線に乗り込んだ。トンネルを抜けると‥‥妙に暗い。どうやら曇っているようだ。もしかして半袖では厳しい?そんな事を考えながら‥‥寝てしまった。
‥‥呆然としながら、新潟駅にいた。と、取りあえず連絡(汗)。それからヨドバシカメラでバイオUのチラシを貰って再び車中の人に。
長岡駅東口のマックでコーヒーを飲みながら、ロミオとジュリエットを読んでみる。どうにか合流でき、旅行を思い立ったきっかけである蕎麦を食べるため、オススメの店に案内してもらった。最初の企画では「小嶋屋の新蕎麦食べ放題にチャレンジ」が最大の目的だった。が、その日程にお見舞いに行ってしまったため、時期をちょっと逸している感じになってしまった。が、ともかく蕎麦だ。
「天池」という店に行った。ここはつなぎにフノリだけでなく、ゴボウも使っているという。最初、あのゴボウそのものを使っているのかと思ったがどうやら違うようだ。葉か茎を使っているのだろう。田舎風の黒い蕎麦。天ぷら盛り合わせと一緒に頂く。美味しい。が、それよりも店内のTVで流れていたK−1の試合の方に気が捕らわれてしまっていたような‥‥。
閉店時間になっていることもあり、ゆっくりお喋りできる雰囲気ではないので喫茶店に移動。何故か、タピオカシェークパフェというものにちゃれんじする羽目に。びみょ〜な味を味わいつつ、お喋り。体育会系というものは大変だなぁ。イタイ話だ。ホント、お疲れ様です。
駅前のビジネスホテルにチェックイン(一旦帰宅することを断念)。荷物を置いて、コンビニに買い出しにでたところ、隣のホテルがシングル38k円だと知った。うぐ、悔しい・・・。
部屋に戻ってTVを付ける。地方局だから関東圏とは違う番組編成。何気なくチャンネルを変えていたら、信じられない映像が。fra-foaの三上ちさ子さんの単独インタビュー。インタヴュアーの質問や会話も単なる営業ではなく、fra-foaをきちんとチェックしている事が判る内容。東京キー局の番組かと思ったが、場所は新潟市内のカフェ。ということは新潟独自の音楽番組。「音楽と髭」という番組だった。
このところきちんとチェックしていなかったのだが、三上さんは変わった。おそらくそれは良い方向に。今まで、「私って?」と自分を切り刻む感じで自分の中に何があるのかを見つめ歌い続けてきたのが、そうではなくなりつつあると。一種の「拡散」が生じている。突き抜けて途方に暮れているようなイメージをそこに見る。
ひたすら自分を見つめ傷つけ、その瞬間に何かを感じるというのは「自傷行為」だ。そこにカリスマを見出すというのは彼女を贄とする行為とも解釈でき、異様で危険なものも感じた。いつか彼女は完全に壊れてしまう、無意識に望まれている壊れ役を引き受けてしまうのではという。
が、インタヴューを受けている彼女からあの時の危うさは大分抜けていた。「盲目的にひたすら自分自身であろうとする」視点から「関係の中に自分がある」という視点に移りつつある。というか、そういう考えがあることに気付きつつあるという印象を受けた。インタヴュアーもその変化を感じ取り、それに好意を持っている事が判る。そして、その事がインタヴュアーが営業だけでない立場で見ている事を示している。彼女の変化は「fra-foa」という商品の価値を変化させてしまう。彼女の「幸福」がfra-foaの「商業的成功」と結び付くとは限らない。でも、インタビュアーは彼女の変化を喜んでいた。それは、先に生きている先輩が後輩を優しく見守る、しかし多少個人的な趣向に基づく視線。残念ながら自分の位置から見ているので、完全には彼女を理解しきれてはいない。「生きて行く意欲が沸かない主人公が飛行機事故に遭い、落ちる飛行機の中でようやく『生きている実感』を感じられた」というシチュエーションが判らない。それがハッピーな事が判らない。その「一瞬が全て」「一瞬こそが永遠」というのが理解できない。そういう点があるとしても、このインタビュ−映像はとても貴重で素晴らしい(少なくとも私にとっては)ものだった。偶々、新潟県に遊びにきて、偶々自宅に帰らずに宿泊したために見られた映像。
その後に別チャンネルで「水曜どうでしょうリターンズ」を見ながら、改めてあの単語が思い起こされた。
コメント