MT14の世界設定がかなりダークな近未来ものであることは前に説明したかもしれない。
人災によって齎された地球規模の天変地異をようやく生き延びた人々を異常気象による寒冷化が襲い、生存圏を奪われつつあるヨーロッパ。
滅びるしかないと思った人々を救ったのが、気象制御装置「カルネアデス」。ナノマシンによって気象を制御することで氷河を押し戻し、ヨーロッパを天変地異前の温暖な気候に戻して数千万の命を救った。
しかし、「カルネアデス」はその名の通り、ヨーロッパの人々を救うために別の犠牲を強いた。不完全なものを緊急起動させたため、制御圏外の広い範囲でナノマシンが猛毒と化す不具合が生じた。これによって圏外の民である中東の生存者が滅亡に瀕することになる。
MT14では、真実を知った中東の人々が数百万の民を救うために「カルネアデス」を破壊する遠征を仕掛けたところから始まった。ゲームがPCとPLに投げつけた問題はまさに「カルネアデス」という単語に集約できる。

 で、今、とても気になるモノがリプレイに登場している。
 ・・・「ヒカリゴケ」。ブタペストの洞窟の中に発生しているという設定のものは、ゲーム開始時には洞窟を演出するアイテムでしかなかった。それが、中盤になって別のものに変わった。
なんと、この「ヒカリゴケ」は食す事ができるのだ。それどころか非常に栄養価が高い。今後膨大な数の難民が押し寄せてくる可能性がある中、その食料問題がすでに危機的と予想されている。「ヒカリゴケ」は硫黄化合物を分解して成長するという特性によって温泉地であるブタペストでは大量生産が可能な奇跡の食べ物と注目されることになった。
 
 が、この展開は希望にあふれるもののように見えるが、私にはそう単純に思えない。「カルネアデス」を踏まえると、全く別のものが浮かび上がってくる。
 ・・・「ひかりごけ」。「カルネアデス ひかりごけ」で検索すれば、私が何をみたか分かるだろう。[http://www.alpha-net.ne.jp/users2/knight9/hikarigoke.htm]
 
 「ヒカリゴケ」が来る食糧難を解決するアイテムとして設定された時点では、オフィシャルやマスターのほとんどは考えていなかったと思う。中東を含めたヨーロッパの民の餓えを凌ぐ天からの贈り物が「ひかりごけ」であることの意味を。
 MT14の物語装置は、PLやマスターも知らないところで駆動している。
 

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