マーガレットズロースが新宿のタワーレコードでインストアライブをすると知って、正直驚いた。ぱぶりかの対バンとして聞いたのが最初。味のある歌を歌うけれど、万人受けするような歌を歌うバンドではない。それよりも自分達の詩を歌うことに重きを置いている感じだった。そういうバンドがインストアライブをするとは。
 そのインストアライブが今日ある。久々に新宿に行くことにした。30分ほど早くついたので、タカシマヤの10階催事場に足を伸ばした。JRの車内ポスターで「グルメのための味百選」という企画をしているのを見かけたからだ。「551蓬莱」が出店している。豚まんを食べたくて訪れた‥‥が、物凄い並んでいる。先に香川の「羽根さぬき本舗」の和三盆糖を買ったり、地酒コーナーを見ていたりしたのが失敗だったか。10分並んだが、後5分で買えそうもない。16時からのインストアライブに間に合わなければ新宿に来た意味がなくなるので、仕方なく退却。朝から何も食べていないので去り際に「ビストロ喜楽亭」のきのこ入りカレーパンを買って、タワーレコードに。
 
 J−POPを扱う階の片隅にライブスペースがある。マーガレットズロースの新譜が流れていた。思った以上に客が集まっている。フライヤーを配る人やビデオを撮っている人は彼らの知り合いの様子。偶々店に立ち寄ったついで‥‥というのではなく、態々観に来ている人がこれほどいるバンドに成長しているとは知らなかった。16時をちょっと過ぎて、ギター&ヴォーカル、ベース、パーカッションの3名が登場。ドラムは音が大きすぎるから持ち込めなかったらしく、コンガなどを使ったアコースティックバージョンの演奏になる。
 演奏が始まった。久々に「斜陽」を聴く。新譜「こんな日を待っていたんだ」のタイトルはこの歌の歌詞の一節から取られている。マーガレットズロースを代表する歌。
 他にも友部正人さんの「大阪へやってきた」のカバー、「パンツの歌」、「今夜ライブの話をしよう」など4曲を歌った。シャイなヴォーカルの平井さんなど3人の好青年ぶりが見て取れるライブだった。
 ライブだけで終りだと思ったら、サイン会まで実施したのでまた驚く。どうせCDを購入するつもりなので参加してみよう。
 CDを購入するために、そのフロアをうろうろしていて了解した。この店はインディーズCDに力を入れている。ただCDを置くだけでなく、良さをアピールしようとしている。マーガレットズロースも同様に恐らくスタッフがプッシュしたいと思って取り上げたのではないだろうか。うろうろした結果、マーガレットズロース「こんな日を待っていたんだ」、サザンハリケーン「台風の芽」、菅野ようこ「GET9」、zabadak「wonderful life」、菊池成孔featuring岩澤瞳「普通の恋」、そして菊池成孔×コンボピアノ「10 Minutes Older」を購入。 
 無事にジャケットにサインをしてもらった後、タカシマヤに。先程の雪辱を晴らすべく並ぶ。30分ちょっと並んでようやく豚まんをget!そこまでして‥‥という思いもあったが。
 豚まんは後で食べるとして、それ以外の展示品も見て回る。地酒コーナー、改めてよく見て驚いた。鶴の友が置いてある。上白と純吟が。これには驚いた。が、判っているお客は余りいないようで、それほど売れてはいなさそうだった。張り付いている販売員も全く別の醸造所から来ている人などだったので、越後銘酒は飾りとして営業はしないようだった。
 沢山出店しているので見て回るだけでも愉しい。品物を売るだけでなく、その場で調理している店もあった。京都「八起庵」の鴨なんば。ふらっと入って注文。カウンターの向こうにいる親父さんに「暑いから上着は脱いだほうがいいですよ」と京都弁で言われ、コートを脱いでシャツ姿に。ずっと立っていたので座ることができて、ちょっとほっとしてた。
 こうやって座ったはいいが、実は鴨なんばの味については期待していなかった。いくら全国から名店を集めたからといってそんなに抜きん出ていることはないだろう。自分の想像の範疇だと、かけうどんに鶏肉が載っている以上のものでしかなかった。
 出店スペース内で作られた鴨なんば。軽い気持で汁をレンゲでとって味見してみる。驚いた。これは美味しい。ダシが効いていてしっかりした味わい。京都というので薄味を想像していたのだが、全く違う。 適度な歯ごたえがあり、旨みの濃い鶏肉、しっきりとした京ネギ、汁がよく絡む細うどん。そして味を引き締める山椒。よく考えられているなあと食べながら感心した。山椒なんて鰻ぐらいしか使わないのだが、鴨なんばではとてもよい薬味になっている。美味しさに驚いていると、先ほどの親父さんが「どうですか?」と尋ねてきたので、素直に「美味しいです。山椒が効いてますね」と答えた。京都では山椒を日頃の料理でも使うという。関東では先程も書いたように鰻以外ではまず使わない。京都では欠かせない薬味らしく、味噌汁にも掛けるとその親父さんは言っていた。七味を味噌汁に掛ける人は知っているけれど‥‥。そこで七味の中に山椒も含まれているのを思い出す。あちらでは七味も山椒の香りの強いものが好まれるようだ。山椒について面白い話も聞いた。薬味屋さんの話だと、蝮がいるようなところの山椒が良い品なのだという。なので良い山椒を手に入れようとすると危険な思いをしなければならないらしい。ふうむ‥‥ふと思った。この柔和な顔つきの親父さんは誰なのだろう。デパートの企画の出店のお手伝いという感じではない‥‥
 夢中に食べるという体験は久々だ。汁まで飲み干した。満足感。1500円という値段はうどんの値段とすると高いが、満足感からすると妥当だろう。親父さんもよい食べっぷりが嬉しかったのか、チラシを貰ったときに「京都の店にも是非来てください」と言われた。世辞にしても嬉しいものだ。とてもよい気分で出店を後にした。本店は京都は左京区の川端丸太町にあるらしい。また京都に行くことがあるだろう。そのときには立ち寄りたい。
 さて他にも美味しそうなものが沢山あって、相当我慢したつもりだが、それでもタカシマヤを出るときには東京の「羽二重団子」の羽二重だんご、富山の「堺捨」の白えびの押し寿し、福井の「奥井海生堂」の利尻昆布などを買っていた。

 アキバの「いざかや」に。店内のお客の大半が独特の雰囲気を持っていた。はて?何かイベントがあったかしらん。宇宙刑事ギャバンを元ネタにしたパロディ本「聖戦戦士○○○○」とかを広げている人がいたり、とても軍服ちっくな服装をしている人がいたり。そういう人たち以外にも「アヴァンティ」してみるとどう考えても自衛官らしき20代前半の人たちの会話が聞こえてくる。「演習で銃剣で一人倒しましたよ〜」とか。「走れコータロー」の替え歌で「走れ陸士長」とか。海自関係者らしい人が一般人である私や隣の人に、今日明日ととあるイベントが開催されていて、その帰りだという話だった。イベント名を聞いて、思い出した。大井さんが先日言っていたイベント。私も前に行って50AE弾を‥‥(ごにょごにょ)。とまれ、そのイベントを知っている。そして全てを了解してしまった。ということは、そんな私も一般人でわ‥‥(とおいめ)。

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