一昨日、プラグデイジーのてっこさんと話をしたのは「ライフスライスカメラ」というものに関して。彼女は仕事の関係で入手し、試用しているらしい。
 公式サイト[http://www.lifeslice.net/]などの情報からして、「”一定時間(180〜300秒)毎に勝手にカメラの前の光景を撮影するカメラ”を首から下げる事により当人の目の前に現われた光景を自動的に記録して行く」モノのようだ。この機械を「当人の人生を撮影間隔でスライスしてゆくもの」として把握する事により、ただのタイマー撮影デジカメが「ライフスライスカメラ」になる。
 
 思い出すのはニフティの今はなき芸術フォーラム(fArt)内の写真会議室での議論だ。「写真を撮るとはどういうことか?」という事について、数名の人が語っていた。名前は覚えていないがある人が、確かベンヤミンを踏まえてだったと思う、「写真は『撮る』ものではない。『勝手に写る』ものだ。」と書き込んでいた。形而上的な話題を展開している人と、それとは違う方向性の話をしている人が一緒にいるという不幸により、この議論は話し「合う」という所にすら到達することなく拡散してしまっていた。言いっぱなしのその姿勢に大人気なさを感じもしたが、学生時代に写真に関わっていた者として、その言葉が頭に残っていた。(この撮影者の意思を離れて『勝手に写る』という言葉は、相当に哲学的な話題でその辺りの発言の趣旨をきちんと説明しなかったのはかなり意地悪だったと思う。)
 「写真は『無意識』に直結している」という言葉を頭では理解できたつもりでも、日常的なところでは中々認識できない。なぜなら、普通撮影するときにはカメラを持ち、レンズを撮りたいモノの方向に向け、自分の指でシャッターボタンを押すという行為をしているからだ。その行為との因果関係から、写真は「撮られたもの」だと思ってしまう。
 今、ここに「持たず、向けず、押さず」のカメラがある。ライフスライスというコンセプトの裏には『無意識』を自覚する、愉しむ思想がある。また機械的な機能はちゃちだが、とても実験的なモノだ。ディファレンスエンジンがごつくて、ある意味でちゃちに見えるのと同様に。
 
 17時半頃、新宿駅南口でてっこさんと待ち合わせ。ライフスライスカメラ(以下、LSC)を借りた。GW中借りる事に。説明書やユーティリティソフトの入ったCDなどと共に。撮影間隔は固定ではなく、1分から60分まで1分間隔で変えられることを知った。とりあえず5分間隔に設定し、首に掛ける。
 
 てっこさんと別れて、京王新線に。エスカレータに向かうとき、見た事のある人が。アコーディオンの藤野由佳さんのライブでよく顔を合わせる女性。残念ながら名前も藤野さんのサイトのBBSでのハンドルも覚えていないのだが、とりあえず顔なじみなので声を掛けてみる。目的地は恐らく同じキルシェのライブ会場である初台DOORSだろうから。やはりキルシェのライブに向かうところだった。初台DOORSは初めてということで一緒に電車に乗った。出る改札口さえ間違わなければDOORSは初台駅からとても近い。出る改札口さえ間違わなければ‥‥(とおいめ)
 無事に(ぉ)会場に着いた。彼女はチケットを持っている友人と待ち合わせ。私はちあきさんを見つけて会場入り口前で話し込んだ。しばらくすると整理番号順に入場が始まった。手馴れたスタッフでよかった。
 私の整理番号は100番以降だったので、入場時にはステージと同じ階の席はもうほぼ埋っていた。先に入ったちあきさんが中二階の観客席が空いていると教えてくれたのでそちらに。安全策の手すりが邪魔だけれど、ステージ全体を見下ろせてなかなかな席。
 ライブは充実したものだった。明後日のライブも観に行きたくなってしまうほど。アンケートを書いて外に出たら、先程の女性も含め、ライブ会場でよく会う知人はほとんど帰ってしまっていた。渋谷までちあきさんと帰る事に。
 品川で時間を潰そうと思っていたのだが、思った以上に時間があるので一度家に帰ることにした。さっとシャワーを浴びて汗を流し、荷物を纏めて再出発。コンビニなどで食料品を買い込んで、横浜駅に。まだ列車は来ない‥‥長い一日の始まり。

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