渋谷にはよく訪れるが落ち着いて呑める店を見つけていない。3時間もあるのだからゆっくりできる店がいい。
前ににしんさんと行った「焼酎バー古典」だが、今日みたいなラフな格好ではちょっと入りづらい。店の前まで来たが通り過ぎた。
その先に日本酒が充実していそうな居酒屋があったのだが、24時閉店。今は23時半なので今から入っても嫌がられるだろう。
突き当たりを左に行けば道玄坂に出るが、あちらにでたら酒を呑むという感じじゃなくなる。ということで見知らぬ方向である右を曲がった。
洒落た店もあるのだが、どうも入る気にならない。坂を下るととうとう24時間営業のスーパーマーケットが見えてきた。これはもう戻る頃合かしらん。
周囲の看板から神泉駅が近くにあるらしい。決めた。神泉駅まで行って戻ろう。周囲はマンションばかりで住宅街の様相を呈してきていた。
と、「神泉駅近道」みたいな看板が路地の入り口にあるのが見えた。路地を覗くと街灯がなく、閉まっている不動産屋の中に掲示しているチラシを照らす明かりだけ。
ちょっと一人で歩くのを躊躇う雰囲気だった。近道の看板が無ければ入らなかったろう。ということで路地に。
 坂を登って不動産屋を過ぎても街灯は見当たらない。ただ、24時なのに電気が灯っている店があるようだ。店先に出された看板の電灯がついたままだった。
バーなのか?と思って近づいて看板を覗くと「cut ・・・円」とある。美容室の看板だ。ちょっとがっくりしながら、その店の前を通り抜けようとした。
ガラス張りの店内には壁に斜めに立てかけた姿見が3つほど並んでいる。その奥のガラス越しには内庭かオブジェが見える。開放感溢れた店内。
そして手前にはカウンターがあって男性二人が語らっている。
 
・・・え?カウンター?美容室で?
 
 通り過ぎようとした足を止めて、先程とは別の看板を見ると「Asian Tea & 焼酎」とある。
怪しい・・・こんな組み合せの店は見たことがない。こんな怪しい店はとっとと・・・入った(ぉ。
看板の営業時間からすると開いている様子だが、なかの二人が妙に和んでいるので店を閉めての語らいなのかと思い、戦々恐々としながら「まだ開いてますか?」と尋ねながら扉を開けた。
大丈夫。二人とも関係者ではなく客と店員の語らいだった。
マウンテンパーカーを脱いでショルダーバッグなどと共に無造作に空いてる椅子に置く。カウンターにはお茶の入ったガラス瓶。
入り口近くから3つ、いや美容室の中にもあるのを含めると4つの棚に焼酎の瓶が並べられてある。
時間は十分あるので焼酎を頼む事にした。北九州への出張で少し芋焼酎を飲んだ程度だったので大して知らない。
既に気に入り掛けている自分としては、初見で格好つけてもしかたない。店員に良く知らない事を明かした上で勧めてもらったものを呑んでみる事にする。
逆に言えば店内の面積にしては割と沢山の銘柄があったという事。
 『佐藤』という銘柄の白麹で作られた芋焼酎、続いて同じ『佐藤』の黒麹、最後に麹も芋で作られた芋100%の『芋』という芋焼酎を呑んだ。
白麹と黒麹で味の重みが違う。それで出張先で呑んだ『霧島』のことを思い出し、話題に。『霧島』、『黒霧島』・・・そして『赤霧島』。
 店員さんはまだ新人らしい。話を聞いたら、以前はINTER FMなどのFM番組の制作に関わっていたようだ。
何故、この店を見つけたかのいきさつを話したところ、彼が応援しているバンドを教えてくれた。
『Click』というそのバンドは吉祥寺駅前でたまにストリートライブをしているらしい。
曼荼羅でライブをやったという話からどんな系統のバンドかある程度想像が付く。彼曰く、「王道のPOP」との事。
 30代後半と見られる柔和な顔をした男性が入ってきた。この店のオーナーだった。
始めにいたお客はこの店のオーナーの別の店の常連さんらしく、今日始めてここを訪れたらしい。
どうやらその店は青山にあり、置いてある焼酎の種類は東京一を自負するぐらいあるらしい。1000種類以上というのは本当だろうか?
最初のお客が帰った後に車を乗り付けた別のお客が。お茶を飲みに来た様子。なるほど、店の秘密が判った。
お酒を愉しめる人には焼酎を、そうでない人にはお茶を愉しんでもらおうというのがコンセプト。
呑んだらいけない人だけでなく、お酒が弱い人にも居心地がいい。例えばお酒に強い女性とお酒がからきしの男性のカップルでもここならば同じ居心地で愉しめる。
どちらかが我慢せずに『一緒に』というのがキーなのだろう。となると、美容室との関係も独立ではなさそうだ。
 
オーナーは気さくで、おそらく常連さんは酒の種類ではなく、彼の気の置けないところに惹かれて通っているのではないだろうか。この店の雰囲気から察して。
IQグルメや床にダンボールなどの話で盛り上がった。馬鹿話の中でも商売のネタが無いかとアンテナを張り巡らせているのは流石だと思う。
 
 3時になった。そろそろクラブイベントの会場のclub asia Pに戻ろう。
帰りがけに店紹介カードを貰う。そこには次のように書かれていた。
 
「Attract    GEN material
 アジアをメインテーマとした美容室&Tea BERを円山町にオープンします。
 ****(ACQUA)と****(東京焼酎Bar GEN)による斬新なコラボレーション!!
 都会では味わえない新しい空間の演出に、是非ご期待下さい。」(*により氏名略)
 
 なるほど。そういう事か。納得しつつ店を出た。
 
 どうやら無闇にグルッと回っていたようだ。神泉駅から会場までは直ぐだった。
 2K円を払って中にはいる。この時点で浮いている。入り口付近に顔見知りがいてちょっとほっとする。
 ずっとそこに居てもなんだから、ホールに向かう事にした。荷物が邪魔だった。ドリンクチケットでジンバックを頼む。
 以前、ここに来たのはグリーンホーンのライブを見に来たとき。
あの時も彼女達は観客のノリとはちょっと違っていたが、今回の奥さんの場合はその比じゃない。そして自分達も(ぉ
 いよいよ奥さんのステージ。縦ノリとは違うので場の雰囲気が変わる。奥さんの武器はテプコだった。CMの影響力の強さを再確認。
あんなに激しく反応するとは。持ち歌3曲に対し、テプコは9回ぐらい歌った気がする。それなりに成功だったと言える。
 イベント終了後、奥さんとファン仲間でお茶でもしようとマックに行こうとしたが、開いている店は満席。卓球をしようという案が出たが、こちらも閉店。
始発待ちの客を相手にしているので逆に始発が動き出すと開いていない。結局、流れ解散になった。家に着いたのは7時過ぎ。
 
 一眠りした後、カタログチェック。うわ、マイナーアーティストサークルはホントに大手ジャンルの間仕切りになってるな。
左隣が鈴木祥子さんのファンサークル、右隣がザバダックのファンサークル。
 
 夕方、アキバに出、「いざかや」で夕食を食べてから、高円寺に。元ぱぶりかのメンバーなどによるバンド「プラグデイジー」のライブを観に行くために。
 彼らのライブは久々だ。今回はレコ発ライブでもある。色々と愉しみだった。<つづく>

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