いぬもあるけば・・・「TRIZ/USIT」☆
2006年3月14日 ということで、私はマイクロソフト株式会社 新宿オフィス 5階のセミナールームにいる。
何故にこんなところにいるかというと、先週講習代を振り込んだセミナーの会場だから。
このセミナーはMPUF(Microsoft Project Users’ Forum)主催ということで、普通のセミナーとは意味合いが違うもののようだった。
それはこのセミナーがPMP資格者に要求される「PMP取得後の資格維持のためのPDU(Professional Development Unit)獲得」の機会という位置付けにあるという事。
その受講単位を得るために参加する人もいたようだ。
ネタの匂いを嗅ぎつけてというSFおたく的な切っ掛けだったが、アイディア発想法の1つであるTRIZとこれから発展したUSITについて知る事になった。
セミナーに参加するにあたって、日経ものづくりの連載記事「なるほどtheメソッド」でTRIZが取り上げられていたバックナンバーをチェックしたり、ネットで調べたりしていた。
しかし、TRIZについては問題解析ツールの具体的なものが見えないし、USITについても今一つ具体的に解りにくい感じだった。
どうせならしっかり解りたい。じゃなければ、日記ネタのために3K円出した意味がない。ということで前の席に座った。
講師は大阪学院大学教授 中川徹先生。
『TRIZは「問題をシステムとして理解し、理想解を最初にイメージし、矛盾を解決する」という弁証法的な思考を提供する。
しかし、習得し実務に使えるレベルになるまで大変という問題があった。
これをやさしく再構築したのがUSITで、企業の実地問題でコンセプト生成に迅速に適用できる。』
TRIZにはある思想がある。それは「進化の継続と発展」そして「明るい未来への信頼」だ。
TRIZを開発したG.S.アルトシュラーはTRIZに対し無償で教育を行ったという。
当時の政府から迫害されていた彼が生計や教育のための資金をどうやって得ていたかというと・・・SFの版権だという。
彼はSF作家だったのだ。ならば彼が技術とその進化に対して信頼していた事も解る。
(アジモフとアルトシュラーの比較論があれば読んでみたい。)
また「問題はいつか乗り越える事ができる」という信念がない限り、問題に立ち向かい続けることは難しい。
「必要は発明の母」と言われるのは「必要だから問題に立ち向かい続けられる」というのを示していると思う。
TRIZがなぜ技術開発で有効なのかというと、技術者に「矛盾を止揚する」弁証法的思考を示している点にあると思う。
これは日本の技術者が如何に教養として弁証法的思考を学ぶ機会が少ないかという事実を照らし出しているが、
逆に言えば技術者は知識や頭の中だけのものとしてではなく実務として弁証法的思考を活用する機会があるとも言える。
しかし、TRIZにも問題がある。
TRIZは強力な武器を多数持っているのだが、それを学び、意のままに操るようになるまで習得時間が掛かる。
まるでプロの料理人のような。
自ら習得せず、TRIZエキスパートをお呼びして一緒にアイディアを出すことは効果があるだろう。
が、それは特別な状況だし、呼んだからには成果がでなければならないという心理的な障壁もある。
日常的な業務では手に余る。
一般家庭で日々の料理に料理人を呼び寄せるようなもの。もしくは本格的な料理教室に通うようなもの。
そうではなく、家族の手で、家庭にある材料や道具で手間をかけずに美味しい料理が作りたい。
そのためのコツが知りたい。
料理の最も基本的なコツは段取りだったりする。
「どのような料理(仕様)を食べたいのかを決め、それに必要な材料(リソース)と道具(ツール)を揃え、どんな手順(プロセス)で行うか」
・・・話が飛びすぎた(汗。
とまれ、このTRIZにある『重さ』を取り払って容易に導入できる形に再構築したのがUSIT。
問題解決のプロセスが明確なので実施しやすい。
漠然とした問題をシステムとして把握して要素と要因を再定義し、
再定義された問題を分析して一般化し、
問題が解決された理想状態に向けて5つの解決策生成法をフィードバックループさせる中で最適な解決策のコンセプトを絞り込む。
得られたコンセプトを元に、具体的な解決策を検討する。
大きな流れとしては1)問題の抽象化 > 2)解決策生成法による解決策生成 > 3)解決策の具体化 というもの。
話を聞いて、連想したのがラプラス変換法だった。
「ラプラス変換法とは
1)時間(t)領域での問題をラプラス変換により複素数(s)領域に置き換えることで、線形定係数微分方程式をその入力関数、初期条件とともに線形代数方程式に変換し、
2)このsの領域での解を代数的に求め、
3)ふたたびその解をラプラス逆変換により時間(t)の領域に戻すという手法である。」
(引用元:基礎制御理論(1) 長谷川健介著 番号振りは追加)
何にしても、物事の本質を見極める事が大事。問題の定義が適切でなければ始まらない。
その意味でもヒントを思いつく事そのものが問題解決過程の中核ではない。それは結果。
『方向付けを持った思考の努力』が「創造的問題解決」の解決策生成を導いている。
中川先生の本質が大事という話を聞いて、恩師の藤本先生を思い出した。
セミナーの講師紹介の写真からの印象はちょっとエキセントリックな人なのかしらんというものだった。
実際拝見したところ藤本先生に通じるものを感じた。
今回のセミナーは座学のみなので2時間で終了。
参加者40代の人が多かった。管理職の人が多いのだろう。
その後、質疑応答/交流会。
三菱エアロスペースや横河電機の方が先生に質問していた。
近くの人と名刺交換したのだが、コンサルティング系の人、システム構築系の人、品質管理系の人がほとんどだった。
参加者の中にソニーのシックスシグマ関係の人がいた。
先日、ちょうど日経ものづくりの「なるほどtheメソッド」のバックナンバーでソニーシックスシグマに関する記事を読んでいたので反応してしまったのだが、
「ソニーシックスシグマだけでなく様々な手法を知り、有効なら取り入れることが必要だ」という認識で今日のセミナーに参加したとのこと。
さて、PMでもなんでもない一技術者がUSITを用いて何ができるか・・・
今宵はここまでにしとうございます・・・(何
何故にこんなところにいるかというと、先週講習代を振り込んだセミナーの会場だから。
このセミナーはMPUF(Microsoft Project Users’ Forum)主催ということで、普通のセミナーとは意味合いが違うもののようだった。
それはこのセミナーがPMP資格者に要求される「PMP取得後の資格維持のためのPDU(Professional Development Unit)獲得」の機会という位置付けにあるという事。
その受講単位を得るために参加する人もいたようだ。
ネタの匂いを嗅ぎつけてというSFおたく的な切っ掛けだったが、アイディア発想法の1つであるTRIZとこれから発展したUSITについて知る事になった。
セミナーに参加するにあたって、日経ものづくりの連載記事「なるほどtheメソッド」でTRIZが取り上げられていたバックナンバーをチェックしたり、ネットで調べたりしていた。
しかし、TRIZについては問題解析ツールの具体的なものが見えないし、USITについても今一つ具体的に解りにくい感じだった。
どうせならしっかり解りたい。じゃなければ、日記ネタのために3K円出した意味がない。ということで前の席に座った。
講師は大阪学院大学教授 中川徹先生。
『TRIZは「問題をシステムとして理解し、理想解を最初にイメージし、矛盾を解決する」という弁証法的な思考を提供する。
しかし、習得し実務に使えるレベルになるまで大変という問題があった。
これをやさしく再構築したのがUSITで、企業の実地問題でコンセプト生成に迅速に適用できる。』
TRIZにはある思想がある。それは「進化の継続と発展」そして「明るい未来への信頼」だ。
TRIZを開発したG.S.アルトシュラーはTRIZに対し無償で教育を行ったという。
当時の政府から迫害されていた彼が生計や教育のための資金をどうやって得ていたかというと・・・SFの版権だという。
彼はSF作家だったのだ。ならば彼が技術とその進化に対して信頼していた事も解る。
(アジモフとアルトシュラーの比較論があれば読んでみたい。)
また「問題はいつか乗り越える事ができる」という信念がない限り、問題に立ち向かい続けることは難しい。
「必要は発明の母」と言われるのは「必要だから問題に立ち向かい続けられる」というのを示していると思う。
TRIZがなぜ技術開発で有効なのかというと、技術者に「矛盾を止揚する」弁証法的思考を示している点にあると思う。
これは日本の技術者が如何に教養として弁証法的思考を学ぶ機会が少ないかという事実を照らし出しているが、
逆に言えば技術者は知識や頭の中だけのものとしてではなく実務として弁証法的思考を活用する機会があるとも言える。
しかし、TRIZにも問題がある。
TRIZは強力な武器を多数持っているのだが、それを学び、意のままに操るようになるまで習得時間が掛かる。
まるでプロの料理人のような。
自ら習得せず、TRIZエキスパートをお呼びして一緒にアイディアを出すことは効果があるだろう。
が、それは特別な状況だし、呼んだからには成果がでなければならないという心理的な障壁もある。
日常的な業務では手に余る。
一般家庭で日々の料理に料理人を呼び寄せるようなもの。もしくは本格的な料理教室に通うようなもの。
そうではなく、家族の手で、家庭にある材料や道具で手間をかけずに美味しい料理が作りたい。
そのためのコツが知りたい。
料理の最も基本的なコツは段取りだったりする。
「どのような料理(仕様)を食べたいのかを決め、それに必要な材料(リソース)と道具(ツール)を揃え、どんな手順(プロセス)で行うか」
・・・話が飛びすぎた(汗。
とまれ、このTRIZにある『重さ』を取り払って容易に導入できる形に再構築したのがUSIT。
問題解決のプロセスが明確なので実施しやすい。
漠然とした問題をシステムとして把握して要素と要因を再定義し、
再定義された問題を分析して一般化し、
問題が解決された理想状態に向けて5つの解決策生成法をフィードバックループさせる中で最適な解決策のコンセプトを絞り込む。
得られたコンセプトを元に、具体的な解決策を検討する。
大きな流れとしては1)問題の抽象化 > 2)解決策生成法による解決策生成 > 3)解決策の具体化 というもの。
話を聞いて、連想したのがラプラス変換法だった。
「ラプラス変換法とは
1)時間(t)領域での問題をラプラス変換により複素数(s)領域に置き換えることで、線形定係数微分方程式をその入力関数、初期条件とともに線形代数方程式に変換し、
2)このsの領域での解を代数的に求め、
3)ふたたびその解をラプラス逆変換により時間(t)の領域に戻すという手法である。」
(引用元:基礎制御理論(1) 長谷川健介著 番号振りは追加)
何にしても、物事の本質を見極める事が大事。問題の定義が適切でなければ始まらない。
その意味でもヒントを思いつく事そのものが問題解決過程の中核ではない。それは結果。
『方向付けを持った思考の努力』が「創造的問題解決」の解決策生成を導いている。
中川先生の本質が大事という話を聞いて、恩師の藤本先生を思い出した。
セミナーの講師紹介の写真からの印象はちょっとエキセントリックな人なのかしらんというものだった。
実際拝見したところ藤本先生に通じるものを感じた。
今回のセミナーは座学のみなので2時間で終了。
参加者40代の人が多かった。管理職の人が多いのだろう。
その後、質疑応答/交流会。
三菱エアロスペースや横河電機の方が先生に質問していた。
近くの人と名刺交換したのだが、コンサルティング系の人、システム構築系の人、品質管理系の人がほとんどだった。
参加者の中にソニーのシックスシグマ関係の人がいた。
先日、ちょうど日経ものづくりの「なるほどtheメソッド」のバックナンバーでソニーシックスシグマに関する記事を読んでいたので反応してしまったのだが、
「ソニーシックスシグマだけでなく様々な手法を知り、有効なら取り入れることが必要だ」という認識で今日のセミナーに参加したとのこと。
さて、PMでもなんでもない一技術者がUSITを用いて何ができるか・・・
今宵はここまでにしとうございます・・・(何
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