とらドラ!:悲劇の構造
2009年1月9日 アニメ・マンガアニメ版「とらドラ!」14話の魔術的演出を考察してみる。
1.囁く『言葉』
教室で実乃梨が複雑な感情に耽っているとき、亜美が不意に背後から近づいて意味深な『言葉』を口にするシーンがある。
ここで実乃梨は亜美の『言葉』に同意して受け入れてしまう。
この事そのものは友達同士の会話であるが、全体構成からみると、この状況は伏線であり、かつ罠である。
この承認行為によって、実乃梨は亜美の『言葉』に対する心理障壁が弱まってしまった。
「彼女の言うことは信頼に足る。私の事を考えて言ってくれた。」
そのため、以降、似た状況下で亜美が不注意にも、あるいは意図を隠して、口にしてしまう『言葉』はより深く、よりダイレクトに実乃梨の心まで届き、彼女の思考を束縛する。
《ギアス》として・・・
2.類似の法則
原作を読んでない人が「亜美と兄貴が似てて区別が付かない」と言っていた。
最初は、「目つきなどで判るのにな~」と思っていたのだが、改めて考えてみると少し変な気がした。
個々のキャラ立ちを考えると、それぞれの外見は一目で判るくらい差を付けるのが普通だ。
それが初見の人には勘違いしてしまうぐらい似ている。
もしかしたら、故意に行われたキャラクターデザインなのではないだろうか?
つまり、意識的に亜美と兄貴のシルエットを似せた。
ここで《類似の法則》が発動する。
『似ているものは本質も似る』
例えば、学校での立場を考えると両者共、能力(学力、モデル)が学校を飛び越えて認められるアウトサイダーな面を持っている。
ところで、亜美と兄貴の両者と縁がある登場人物がいる。北村だ。
北村は兄貴の本質の中に幼馴染である亜美と似たものを無意識的に認識してはいないだろうか?
『似ているものは互いに関係する』
物語中、両者が《類似の法則》に寄って関係付けられると、両者は似た立場、似た運命を歩む事になる。
また、彼女のどちらかが他者から投げ掛けられる『言葉』や『罵倒』はそのまま彼女達両者を指すものとなり、思い余って刳り出す『台詞』は彼女達両者の思いとなる。
こうして、悲劇の構造が1つ完成する。
悲劇 Tragodie(tragedy)の語源となったギリシア語は「トラゴイディア」というものらしい。
《類似の法則》が発動しませんように・・・
1.囁く『言葉』
教室で実乃梨が複雑な感情に耽っているとき、亜美が不意に背後から近づいて意味深な『言葉』を口にするシーンがある。
ここで実乃梨は亜美の『言葉』に同意して受け入れてしまう。
この事そのものは友達同士の会話であるが、全体構成からみると、この状況は伏線であり、かつ罠である。
この承認行為によって、実乃梨は亜美の『言葉』に対する心理障壁が弱まってしまった。
「彼女の言うことは信頼に足る。私の事を考えて言ってくれた。」
そのため、以降、似た状況下で亜美が不注意にも、あるいは意図を隠して、口にしてしまう『言葉』はより深く、よりダイレクトに実乃梨の心まで届き、彼女の思考を束縛する。
《ギアス》として・・・
2.類似の法則
原作を読んでない人が「亜美と兄貴が似てて区別が付かない」と言っていた。
最初は、「目つきなどで判るのにな~」と思っていたのだが、改めて考えてみると少し変な気がした。
個々のキャラ立ちを考えると、それぞれの外見は一目で判るくらい差を付けるのが普通だ。
それが初見の人には勘違いしてしまうぐらい似ている。
もしかしたら、故意に行われたキャラクターデザインなのではないだろうか?
つまり、意識的に亜美と兄貴のシルエットを似せた。
ここで《類似の法則》が発動する。
『似ているものは本質も似る』
例えば、学校での立場を考えると両者共、能力(学力、モデル)が学校を飛び越えて認められるアウトサイダーな面を持っている。
ところで、亜美と兄貴の両者と縁がある登場人物がいる。北村だ。
北村は兄貴の本質の中に幼馴染である亜美と似たものを無意識的に認識してはいないだろうか?
『似ているものは互いに関係する』
物語中、両者が《類似の法則》に寄って関係付けられると、両者は似た立場、似た運命を歩む事になる。
また、彼女のどちらかが他者から投げ掛けられる『言葉』や『罵倒』はそのまま彼女達両者を指すものとなり、思い余って刳り出す『台詞』は彼女達両者の思いとなる。
こうして、悲劇の構造が1つ完成する。
悲劇 Tragodie(tragedy)の語源となったギリシア語は「トラゴイディア」というものらしい。
《類似の法則》が発動しませんように・・・
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